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2002年3月11日 気象庁 気候・海洋気象部発表
【予想される天候】

◆夏(6 〜8月)平均気温は,平年並となる可能性が大きく、その確率は50%です。
◆4 〜5月は高気圧と低気圧が交互に通り平年と同様に天気は数日の周期で変わるでしょう西日本を中心に高気圧におおわれ晴れる日が多い見込みです。この期間の平均気温は,北日本,東日本,西日本では高く,南西諸島では平年並でしょう。降水量は西日本日本海側,西日本太平洋側で少なく,その他の地方では平年並でしょう。
◆6 〜7月は前線や低気圧の影響で平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は太平洋高気圧におおわれ平年と同様に晴れる日が多い見込みですが,太平洋高気圧の勢力が弱まり,曇りや雷雨となる時期があるでしょう。

◆6 〜7月(南西諸島は5 〜6月)の降水量は平年並の見込みです。



夏(6〜8)月平均気温の予想される各階級の確率(%)


【解説】

下の表は最近10 年の夏(6〜8月)の天候の特徴である。1993 年の低温・多雨・寡照(南西諸島では高温・少雨),1994 年の高温・少雨,1998 年の寡照など,平年から大きく隔たった天候が現れたが,その後は北日本をのぞき,気温は平年並〜高温となる年が多くなっている。北日本では年々の変動が大きい。


最近10 年の夏(6〜8月)の天候
ENSO欄中のエ(青),ラ(橙)は夏にエルニーニョ,ラニーニャ現象が発現していた年。 気温の階級は −:低い 0 :平年並 +:高い *はかなり低い(高い)。

最近の夏(6〜8月)の天候
東日本の夏(6 〜8月)平均気温平年差の経年変化をみると,1970 年代後半から年々の変動が大きく,また上昇傾向を示している。この傾向は他の地域でも見られる。

また、6 〜7月の2か月間降水量(おおむね梅雨期間の降水量に相当)平年比の経年変化を見ると,西日本太平洋側では最近では1993 年(多雨),1994 年(少雨)をのぞくとほぼ平年程度だったが,2000 ,2001 年と平年を下回った。その他の地方では,北日本で最近4 年間平年を上回っており,また,東日本日本海側では平年を下回る年が多くなっている。

台風接近数は,1990 年前後に多かったが,その後も毎年5個程度接近している

最近の夏の循環場
太平洋高気圧の強さの指数(中緯度高度指数)とオホーツク海付近の高気圧の強さの指数(オホーツク高指数)は最近はともに正偏差の傾向を示している。この夏も中緯度高度指数,オホーツク高指数ともに正偏差となるとみられ,日本付近で前線活動が活発となることや,北日本中心に寒気の入るおそれがある。

北半球の中緯度(30−50 ゜N )の850hPaと300hPaの高度差(層厚)を温度に換算した量(層厚換算温度→およそ対流圏の平均気温とみなすことができる)は平年を上回っている状況が続いており,高温基調にあると考えられる。

熱帯の大気・海洋と日本の天候
エルニーニョ監視海域の海面水温は2月には基準値,夏にはエルニーニョ現象が発生する可能性が大きいと予測されている(→海況・エルニーニョ参照)。
エルニーニョ現象が起こっているときの日本の夏の天候には,気温は平年並か低い,梅雨期間降水量は,東日本太平洋側,西日本(日本海側,太平洋側),南西諸島では,平年並か多い,梅雨明けは平年並か遅い,といった傾向がある。ただし,1997 ,98 年のように,エルニーニョ現象が起こっていても低温にならない年もある。

東日本,西日本の夏平均気温は,西部太平洋熱帯域の海面水温との相関が高い。この海域の海面水温は1998 年春以降かなり高い状態が続いており,今夏のこの付近の海面水温は平年並と予想されている。このため,この夏,同海域周辺での対流活動は平年と同程度に活発で,太平洋高気圧の日本付近への張り出しも平年と同程度みられ,東・西日本の平均気温は平年並となる可能性が大きい見込まれる。

まとめ
太平洋赤道域の大気・海洋の状態は,この夏にはエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測されている。一方,最近の夏は北日本をのぞき高温傾向にあり,北半球層厚換算温度は平年を上回っているほか,西部太平洋熱帯域の海面水温は平年並と見込まれ,太平洋高気圧の日本付近への張り出しも平年と同程度みられる。
以上のことから,夏(6 〜8 月)平均気温,梅雨期間(6 〜7 月,南西諸島は5 〜6 月)降水量とも平年並の可能性が大きいとみている。なお,今後太平洋赤道域の大気・海洋や北半球循環場の推移等を注意深く監視し,必要に応じ予報を見直すことにしている。



東日本の夏(6〜8月)平均気温平年差の経年変化
細線:東日本夏平均気温 太線:5年移動平均

台風接近数の経年変化
細線:台風の本土への接近数 太線:5年移動平均 点線:平年
  

西部太平洋熱帯域の海面水温偏差の推移
細線:海面水温平年差 太線:5か月移動平均
  

西部太平洋熱帯域の夏の海面水温平年差(縦軸℃)と
西日本の夏平均気温平年差(横軸℃)

2 桁の数字は西暦年(下2 桁)(1990 年以降のみ)

資料提供:気象庁
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