2009年3月10日更新
片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)
【2009年冬の天候】

今年の冬をひと言でいうと「短い冬」だろうか。湖面の氷は薄く、大雨で地肌がのぞいたスキー場など、冬の風物詩はほとんど見られなかった。東日本の冬平均気温は1947年以降で2番目に高く、北日本は3番目に高くなった。また、東京の冬平均気温は1947年以降、2007年に次ぐ記録的な高温となった。

2008年11月半ば、暖秋の日本列島を第一級の寒波が襲い、福岡では20年ぶりに11月の初雪となった。だれもが冬のスタートが早いと感じたものの、寒さは持続しなかった。2009年1月下旬には太平洋側で大雨、そしてバレンタインには夏日が出現するなど、季節を先取りするような出来事が相次いだ。

◆冬(12月~2月) 地域平均気候表の高い方順位 1946年~2009年
Regional avarages of seasonal mean temperature anomaly
北日本 東日本
順位 平年差 順位 平年差
1位 1949 +2.0℃ 1位 2007 +1.7℃
2位 1991 +1.8℃ 2位 2009 +1.5℃
3位 2009 +1.6℃ 3位 1979 +1.4℃
2007 +1.6℃ 1949 +1.4℃
1989 +1.6℃ 5位 1993 +1.3℃
西暦は1月。気温は平均気温。平年値は1971年~2000年。

◆2009年冬 東京の記録
2008年12月 2009年1月 2009年2月 冬(Total)
平均気温 9.8℃
(+1.4℃)
6.8℃
(+1.0℃)
7.8℃
(+1.7℃)
8.1℃
(+1.4℃)
降水量 70.5mm
(178%)
142.0mm
(292%)
46.5mm
( 77%)
259.0mm
(173%)
日照時間 190.8h
(112%)
174.7h
( 97%)
131.2h
( 81%)
496.7h
( 97%)
降雪深さ なし なし なし なし
冬の出来事
【2008年11月】
■早い寒波到来

11月19日、暖秋の日本列島を寒波が襲った。日本付近は真冬並みの強い冬型の気圧配置となり、雪のラインが九州北部まで南下した。北海道から九州にかけての日本海側で初雪が降り、福岡では11月として20年ぶりの初雪となった。


2008年11月19日9時の地上天気図と雲画像
→気象ダイアリー:2008年11月19日
【2008年12月】
■12月17日:インフルエンザ早い流行

国立感染症研究所のまとめによると、12月1日~17日の全国患者報告数は定点あたり1.67人となり、流行の目安である1.0人を超えた。これは過去20年で3番目に早い流行である。

■年末寒波

年の瀬の慌ただしさに水を差すように全国的に大荒れの天気となった。26日は引きの冬型となり、山陰から北の日本海側で大雪となった。新千歳空港では滑走路の除雪のため、国内便160便、国際線170便以上が欠航した。また、京都の金閣寺ではこの冬初めて雪化粧した。

28日はJR奧羽線で雪の重みで木が架線に倒れ停電となり、山形新幹線が立ち往生し、帰省客ら約8000人に影響がでた。


【2009年1月】
■1月8日:東京で火災相次ぐ

年末から乾燥した天気が続き、東京の乾燥注意報は14日連続を数えた。都内を始め全国各地で火災が相次いだ。また、東京大手町では観測史上2番目に早くウメが開花した。

■1月9日:東京で初雪

関東の南を低気圧が通過し、東京都心では5時50分に初雪となった。最深積雪は日光で12センチ、秩父で4センチ、河口湖で13センチなど、平野部では積雪とならなかった。中央道富士吉田線や八王子-小淵沢間でチェーン規制が行われた。


2009年1月9日9時の地上天気図と雲画像
→気象ダイアリー:2009年1月9日
■「北暖西冷」の1月

1月中旬、日本列島は寒さのピークを迎えた。長野の諏訪湖では連日氷点下10度の厳しい冷え込みで、湖面に薄氷が張った。また、奥多摩・仏沢の滝も約50%が結氷した。

ただ、例年と違うのは寒気が西回りで日本列島に南下したこと。札幌では記録的な高温となる一方で、鹿児島では平年を下回る寒さとなった。

◆札幌と鹿児島の寒さ比較
1月の平均気温(平年差) 1月の真冬日 1月の雪日数
札幌 -1.3℃ (+2.8℃)
1月として2番目に高い
7日
(平年18.8日)
鹿児島 8.7℃ (-0.4℃) 4日
(平年2.2日)
■1月30日~31日:東京で1月の大雨

低気圧が発達しながら関東の南海上を通過し、紀伊半島から関東南部にかけて記録的な大雨となった。1時間降水量は三重の南伊勢で72.5ミリに達した。また、総雨量は鹿児島県や三重県、静岡県、千葉県で150ミリ~200ミリに達したところがあった。

東京では、日雨量68.0ミリ、最大24時間降水量95.0ミリに達し、いずれも1月として観測史上最多降水量となった。


【2009年2月】
■2月2日:浅間山が小規模噴火

1時15分、浅間山が小規模噴火した。噴煙の高さは火口縁上約2000メートルに達し、大きな噴石が火口の北側約1キロメートルまで飛散したことが確認された。

火山灰は軽井沢町のほか関東南部の広範囲で確認され、東京千代田区では2004年9月17日以来5年ぶりに降灰となった。

■2月3日:流氷の南下遅く

網走では平年より2週間遅く流氷初日となった。1946年観測開始以来3番目に遅い。

オホーツク海の海氷域面積は2月中旬で約70万平方キロメートルと平年を大幅に下回った。また、流氷接岸初日は2月19日とこちらも観測史上2番目に遅くなった。

■2月13日:一斉に「春一番」

今年初の「日本海低気圧」となり、九州から関東まで一斉に春一番が吹いた。関東地方の春一番は昨年より10日早い。

最大瞬間風速は東京で南南西の風20.0メートル(23:55)を観測し、JR京葉線は東京-蘇我間で減速運転を行ったほか、東京湾横断道路も一時通行止めとなった。


2009年2月13日9時の地上天気図と雲画像
→気象ダイアリー:2009年2月13日
■2月14日:バレンタインに夏日

低気圧が持ち込んだ暖気に加え、全国的に晴天となり、各地で季節はずれの暖かさとなった。静岡市の清水で26.8度、神奈川県の小田原で26.1度など全国105か所で2月の最高気温となった。また、東京は23.9度を記録し、2月として3番目の高温となった。

■2月下旬、走り菜種梅雨顕著

2月下旬、フィリピンの東で太平洋高気圧が強まり、本州の南海上に前線が停滞した。東京では2月23日から27日まで日照時間が5日連続でゼロとなり、2月としては1961年以降、初めてのこと。一足早く菜種梅雨が顕著となった。

一方、前線の南側となった沖縄や奄美では記録的な高温となり、2月24日、26日は那覇で26.6℃を記録、2月としては観測史上最も高い気温となった。また、2月の夏日(平年0.6日)は7回を数え、1946年以降で最も多くなった。

◆那覇 2月の夏日(1946年以降)
2月の夏日(日最高気温が25℃以上)
7日 2009
3日 2005,1999,1988,1976,1973
,1970,1969,1959,1953,1952

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