2015年2月4日更新
【2014年のさくらの開花・満開日】
 桜の開花前線は、3月18日に高知をスタートしてからおよそ2カ月弱、
ついに5月12日に釧路でゴールしました。
 2014年の桜は、関東から西の地域で平年より早めの開花となりました。
 2月から3月上旬にかけては気温が低い日が多かったものの、
冬の厳しい寒さと1月・2月の一時的な高温、3月中旬以降の気温上昇が理由と考えられます。
また北海道は4月下旬から急激に気温が上がったため、かなり早く咲いた地域もありました。
→前年の開花・満開日は 「さくら2013」


さくらの開花・満開日の観測はソメイヨシノを観測対象とし、各気象台が定めた標本木で行っている。 ソメイヨシノが分布していない北海道地方では一部を除きエゾヤマザクラを対象としている。 「開花」とは花が数輪以上開いた状態のことで、「満開」とは約80%の花が開花した状態のことである。


北海道
官署開花日平年差満開日平年差
札幌4/29-45/01-6
稚内*5/11-35/13-4
旭川*5/02-35/04-3
網走*5/07-45/11-3
釧路*5/12-55/14-6
帯広*4/27-74/29-8
室蘭4/29-75/05-6
函館4/28-25/01-3
東北
官署開花日平年差満開日平年差
青森4/22-24/25-4
秋田4/20+24/24+2
盛岡4/13-84/21-4
仙台4/07-44/11-5
山形4/14-14/17-2
福島4/08-14/11-2
関東・甲信
官署開花日平年差満開日平年差
水戸3/29-44/02-6
宇都宮3/29-34/04-4
前橋3/29-24/03-3
熊谷3/28-14/01-4
東京3/25-13/30-4
銚子3/29-24/04-4
長野4/11-24/170
横浜3/25-13/31-3
甲府3/28+14/04+1
北陸・東海
官署開花日平年差満開日平年差
静岡3/24-13/31-3
名古屋3/24-23/31-3
岐阜3/24-23/31-4
3/27-34/01-4
新潟4/07-24/12-2
富山4/02-34/08-2
金沢4/01-34/07-3
福井3/31-34/03-6
近畿
官署開花日平年差満開日平年差
彦根4/0204/090
京都3/27-14/02-3
大阪3/27-14/02-3
神戸3/27-14/01-4
奈良3/27-24/01-4
和歌山3/2603/31-4
中国・四国
官署開花日平年差満開日平年差
岡山3/28-14/02-4
広島3/25-23/30-5
松江3/27-44/02-6
鳥取3/27-44/02-5
高松3/26-23/31-5
松山3/24-13/29-6
徳島3/29+14/01-4
高知3/18-43/25-5
下関3/25-23/30-6
九州・沖縄
官署開花日平年差満開日平年差
福岡3/19-43/27-5
大分3/25+13/30-4
長崎3/20-43/27-7
佐賀3/19-53/26-8
熊本3/20-33/27-5
宮崎3/19-53/28-5
鹿児島3/20-63/31-4
名瀬+1/16-31/31+1
那覇+1/15-31/27-8
南大東島+1/07-131/22-11
宮古島+1/1602/03-6
石垣島+1/1602/10+5
2014年のサクラの開花・満開日
・官署名に付した「*」はエゾヤマザクラ、「+」はヒカンザクラ、印のないものはソメイヨシノを観測対象としている。
・平年差に付した「-」は平年より早い、「+」は平年より遅いことを示す。
さくらの開花・満開日の平年差階級区分
さくらの開花を平年値(1981年〜2010年の30年間の累年平均値)と比べる場合、「平年並」は平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早く、「かなり早い」は7日以上早いことを示す。
階級平年との比較
かなり早い7日以上早い
早い平年値より3日以上早い
平年並み平年値との差が2日以内
遅い平年値より3日以上遅い
かなり遅い7日以上遅い

さくらは夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成し、秋に休眠(成長が止まる)に入る。休眠に入った花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚め(休眠打破)、気温の上昇と共に成長を始め開花する。
休眠打破が不十分な場合は、開花が遅れたり不揃いになったりすることがある。


【さくら2014】 〜 好天に恵まれ、全国的に開花・満開早い 〜

片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)  資料提供:気象庁

◆開花

3月18日、全国(沖縄・奄美を除く)のトップを切って、高知でさくらが開花した。さくら前線が高知からスタートしたのは2012年以来、2年ぶりのこと。

3月の前半は気温が低かったが、後半は気温が上昇したため、九州から関東にかけての各地では平年より3日から1週間くらい早く開花した。東京は3月26日、平年より1日早く開花した。

表1:2014年春 平均気温と日照時間
平均気温平年差日照時間平年比
北日本0.4℃平年並み115%かなり多い
東日本0.4℃高い121%かなり多い
西日本0.3℃高い118%かなり多い

全国的に気温の高い日が多くなったため、さくら前線の北上は順調で、3月31日には北陸で、4月22日には青森で平年よりも早く花見シーズンを迎えた。

北海道で今年初の夏日(最高気温が25℃以上)となった4月27日は帯広で平年よりも7日早く開花、札幌では4月29日、平年より4日早く開花した。北海道では大型連休前半から花見シーズンとなった。

さくら前線は5月12日、釧路で終わり、約2か月をかけて日本列島を北上したことになる。


◆満開

3月25日、全国のトップを切って、高知で満開となった。開花以降も気温の高い状態が続いたため、九州から北陸地方にかけての広い範囲で、平年より3日から1週間程度早くなった。東京では平年より4日早い、3月30日に満開を迎え、入学式は見ごろとなった所が多い。

また、この春は全国的に高気圧に覆われる日が多く、日照時間は各地で平年を大幅に上回った。とくに、東日本と西日本日本海側では1946年以降で最も日照時間が多くなった。好天に恵まれた影響で、北日本でも平年より5日前後早く満開となり、青森県弘前では多くの観光客で賑わった。


◆東京 開花から満開までの日数

東京では3月25日に開花し、30日に満開となった。開花から満開までの日数は5日と平年と比べて3日程度早かった。

表2・表3によると、平年より早く開花した場合、開花後に気温が低くなることが多く(寒の戻り)、満開までに日数がかかることが多い。一方、平年より遅く開花した場合は気温が高く推移するため、満開までの日数は少ないことが多い。


表2:平年より早く開花したら(平年値より4日以上早い)
満開までの日数(平均)9日
開花日平年差満開日平年差日数
20023/16-103/21-135
20133/16-103/22-126
20043/18-83/29-511
20073/20-63/29-59
19903/20-63/26-86
19893/20-64/3014
19663/20-64/5216
20093/21-54/2-112
20063/21-53/28-67
19973/21-53/30-49
20103/22-44/1-210
20083/22-43/27-75
19773/22-43/31-39
19763/22-43/31-39

表3:平年より遅く開花したら(平年値より5日以上遅い)
満開までの日数(平均)7日
開花日平年差満開日平年差日数
19844/11164/17146
19704/7124/15128
19694/6114/1074
19864/384/1077
19854/284/1077
19884/274/1189
19744/274/967
19654/274/12910
19644/274/523
19574/174/1078
19634/164/635
19624/164/968
19613/3164/635
20123/3154/636
20053/3154/636
19963/3154/747
19953/3154/747
19943/3154/525
19833/3154/858
19803/3154/858
19783/3154/969
19733/3154/858