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2002年4月

2002年4月の状況

◆エルニーニョ監視海域の4月の海面水温の基準値(1961〜1990の平均値)との差は+0.4℃

◆太平洋赤道域の海面水温は、東経130度〜東経145度、東経160度〜西経145度、西経100度〜西経80度で0.5℃以上高く、東経170度〜日付変更線付近と西経90度付近では+1℃以上の正偏差が見られた。一方、西経120度〜西経110度にかけては-0.5℃以下の負偏差が見られた。

◆南方振動指数は-0.1。(貿易風の強さの目安。正の値は貿易風が強いことを示す。)

◆太平洋の赤道に沿った表層(海面から深度数百m)水温は、東経155度〜西経170度および西経165度〜西経140度・深度100m付近と西経100度以東の深度50m付近で平年より1℃以上高かったが、+2℃以上の正偏差は見られなくなった。


今後の見通し

4月の監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.4℃と、今年になって増大する傾向が続いている。また、太平洋赤道域の海面水温は負偏差域が著しく縮小し、東部のみならず日付変更線付近にも+1℃以上の正偏差域が現れた。一方、赤道に沿った表面水温では、+1℃以上の正偏差域はやや縮小し、+2℃以上の正偏差域は見られなくなった。南方振動指数も-0.1で貿易風の強さはまだ平年に近い状態にある。
エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温の基準値との差が5月から8月にかけて次第に増大し、その後も基準値より高い状態が持続すると予測している。
以上のことから、監視海域の海面水温の基準値との差は、今後次第に大きくなり、夏以降エルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測されるが、貿易風の強さはまだ平年並であることや、表層水温の正偏差も一時的に弱まったことなど、エルニーニョ現象の発生を遅らせる要因も見られることから、今後の推移を注意深く監視する必要がある。





2002年4月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤:28℃以上  (下)青:平年より低い





エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差(1978年1月〜)
緑線は5か月移動平均値
赤:エルニーニョ現象 青:ラニーニャ現象 発生期間

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。
3月
資料提供:気象庁
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