特別コラム「昔の予報官」

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震災のがれき 1年後ハワイへ
2011.4.21
東日本大震災の巨大津波で押し流された、家屋やタイヤなどの膨大ながれき、1年後にはハワイ諸島に漂着する。
 ハワイ大学、日米研究機関などによる予測で、海流や観測ブイの資料をもとに推計された。
 がれき群は、はじめ太平洋の北西部に広がり、その後東へ流れて、一部がハワイ諸島の海岸に打ち上げられる。
 そして3年後の2014年3月、カナダ・バンクーバーからアメリカ西海岸にかけて漂着、さらに2年後、16年春には、カリフォルニア沖の海流で向きを変えて、再びハワイ周辺に漂着する。ハワイに流れ着くがれきの量は、「来年よりも5年後の方が多いだろう」という。
これからの花粉症対策
2011.2.25
気温の上昇とともに、これから花粉症に悩まされるシーズンである。発症したことのない人でも、ある日突然にかかるかもしれない。
すぐできる簡単な対策を、億劫がらずに実行してみよう。

「花粉が体内に入らないようにすること。入ってもアレルギー症状にならないような体を作ること」この2つが対策の基本である。
花粉症は自然に治ることはなく、特効薬もない。

■毎日のセルフケア 
1.花粉をブロックする。
花粉が多く飛散するのは,晴れて気温が高く湿度の低くなる午後。日中の 
窓を開ける時間は短く、洗濯物や布団干しは午前中の短時間にすませる。

2.吸い込まない、持ち込まない
外出にはマスク、めがねを。 戻ったら花粉を払う。ペットの背中も。

3.禁酒・禁煙・運動
鼻の粘膜の保護、鼻づまり予防、自律神経の乱れを防ぐために。

4.寝不足・過労を避ける。

5.食べもの
ポリフェノールの多いもの※ や、緑黄色野菜をとる。
抗アレルギー、抗酸化作用に効果的といわれる。
※ぶどう、りんご、イチゴ、バナナ、柿、そば、チョコレート、緑茶

■家庭でのセルフケア(鼻水、鼻づまり、目のかゆみに) 
鼻洗い:食塩水をペットボトルに入れて、「アー」と声を出しながら、鼻の中に注ぐ。はじめ痛みを感じるときは薄めて。
 ※食塩水:500ミリリットルのぬるま湯に食塩小さじ1杯
鼻スチーム:風呂に入り湯船の湯気を吸い込む。温かいタオルをあててもよい。
目を冷やす:目が充血したり、かゆいときは、タオルを冷水でぬらして絞りまぶたの上に数分間当てる
1月の異常気象
2011.2.9
 今年1月は、1986年以来の全国的な低温であった。この極端な厳寒は、ラニーニャ現象によるものといわれている。
ラニーニャ現象とは、世界的な異常気象の原因の一つで、南米ペルー沖の海面水温が平年より低く、西太平洋で海面水温が高くなる現象である。

 大平洋の熱帯域では、貿易風とよばれる東風が常に吹いており、ラニーニャのときはインドネシア近海で海面下数100メートルまで海水が暖かくなっている。このため太平洋西部では海面からの蒸発が盛んで、大気中の大量の水蒸気が積乱雲を発達させる。

 さらに、上空を流れている西風(偏西風)が大陸上で北に盛り上がるため、日本上空では偏西風の流れが北西の風になる。このため、北極からの強い寒気が日本上空に流れこみ、日本付近は強い寒気に覆われて厳しい低温となった。

 さらに、昨年夏の猛暑のため日本海は水温が高く水蒸気量が多くなった。このような低温と日本海の水蒸気によって日本海側は記録的な豪雪に見舞われた。

 ラニーニャ現象は長期に渡って持続する傾向があるので、この後2〜3年は異常気象が予想されるという。
 今年1月の異常気象ぶりを見てみよう。

【降水(降雪)量】
 東北〜北陸の日本海側 : 最深積雪量 37地点で過去最大
 北、西日本の大平洋側 : 雨が少なく、16地点で降水量0ミリ
【気温の平年との差 (℃)】
 北日本-0.7   東日本-1.5   西日本 -2.3
平年との差が全国でそろってマイナスとなったのは25年ぶり

1月の地点ごと最深積雪は(センチ)
 新潟県魚沼市 409  青森市荒川 345  新潟県津南市 336
統計開始以来の最大積雪は(センチ)
 鳥取県米子市 89   北海道新篠津村 149  など37地点
マラソン大会
2011.1.11
マラソン大会のシーズンになってきた。市民ランナーもフルコースを完走する人が多くなっている。マラソン大会の日取り、関東だけでも、2月20日に横浜国際女子マラソン、同じく27日に東京マラソンと人気のマラソンがめじろ押しである。そこで重要なのが、「42.195キロ」のコースを正確に測ることだが.一体どのようにして測るのだろうか。

  公式記録でないコースでは人と時間を要する。男性約15人が50メートルの区間に並んで鋼鉄のワイヤーを伸ばし、先頭の人がセンターラインから30センチの位置に50メートルのマークをつける。マーク付けを終わると、全員が50メートルだけ前進し、同じ方法で次のマークを付ける。こうして50メートルずつマークをつけていく。この作業は全コースについて844回、2日がかりで行われる。測定の誤差は、0.1%までは許されるが、正規の長さ42.195キロより短くなることはできない。
 
 コースの計測は、国内ではこのようなワイヤによる手作業と、ほかに自転車による計測の2つがある。 大会記録が国際競技連盟に承認されるためには、自転車による計測が義務づけられている。自転車計測員40人程度が、前輪に専用のカウンターを取り付けてコースを走る。 今年2月20日の横浜国際女子マラソンでは、大会当日に、選手がスタートする3分前、自転車計測のチームがコースを走るという。

 国内での公認のフルマラソン大会は、年間約50箇所で行われている。全国の完走するランナーの数は、昨年度約17万人、2004年の8万人に比べてから2倍以上に増加した。中年男性の趣味だったマラソンが、07年の「東京マラソン」を契機に女性ランナーの数が急増した。皇居を周回するジョギングコースでも、女性ランナーが最近めだって多く、周辺のショップではマラソン講座や荷物預かり、入浴サービスなどが繁盛しているそうである。
台風13号 900hPaを割る
2010.10.20
2010年10月17日21時、台風13号はフィリピン、ルソン島の東海上で、猛烈な台風に発達した。中心気圧885hPa、中心付近の最大風速65m/sと、例を見ない強烈な台風である。 

その後ルソン島北部を通過して南シナ海をゆっくり西よりに進んでいる。上陸から3日過ぎた20日現在も、中心気圧が945hPaと猛烈な勢力を保ったままである。
 
中心気圧が900hPaを下回った記録は、平成3年に2個の台風、23号と28号がある。今回の13号はそれ以来19年ぶりに900hPa以下となり、しかも中心気圧はどれよりも低くなった。 
 アメリカ、フロリダ州に大災害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」ですら、最盛期の中心気圧は902hPaであった。

 このコラムに最近述べたばかりだが、「地球温暖化のもとでは、台風は発生数こそ多くはないが、その代わりに強い台風になるおそれがある」。それが早くも現実となった感がある。
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