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『気象人』 the mag for kishojin : 気象の本棚
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2002年4月30日更新
『暮らしの気象学』
著者・倉嶋 厚
発行所・株式会社草思社
初版・1984年11月22日
1984 (C)Atsushi Kurashima
ISBN4-7942-0204-0
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【本文より引用】
「英語のことわざにも「三月はライオンのようにやってきて、ヒツジのように去る(March comes in like a lion, goes out like a lamb)」があり、「三月の風と四月の雨が、五月の花をつれてくる(March winds and April showers bring forth May flowers)」「三月の気ちがい日和(the mad March days)」などがあります。また中国では「春風ノ狂ウハ虎ニ似タリ」といわれています。」
(P16「早春賦」より)
一般に、気象学といえば自然科学、しかも小難しい記号や数式だらけの物理学の範疇にはいります。その気象学を大学や研究所からお茶の間にぐっと近づけたのが本書です。倉嶋さんならではの広範な知識と感性で、およそ専門的な話も身近でわかりやすく解説されていて、読むほどに「そうそう」「へぇ〜」「そうだったのか!」の連続。とにかく倉嶋さんの見識の広さと深さには驚かされます。
たとえば、この春のことわざにしても、日本の歳時記にとどまらず英語や中国語のことわざを引き合いに出して、気象と人間の関わりを情緒豊かに表現される所などは、さすがというほかありません。
ご自身が「職業の選択は見合結婚だったが、その後で恋愛が始まり、いまに続いている」と書いていらっしゃるとおり、倉嶋さんの気象に対する深い情熱、ひいては自然や人間に対する愛情がひしひしと感じられる一冊です。
これさえ読めば、誰でもいっぱしの気象通人になること間違いなし。
倉嶋厚さんは、日本の気象解説者の草分けとして、気象関係のみならず放送関係でも有名な方です。中央気象台付属気象技術官養成所研究科(現気象大学校)を卒業後、気象庁に40年間勤務され、鹿児島地方気象台長を最後に気象庁を退官。その後NHK解説委員として活躍され、今では当たり前のようになっている「お天気キャスター」の地位を初めて築きました。もし倉嶋さんがいなかったら、私をはじめ他のキャスターの人たちも違った道を歩んでいたかもしれませんね(笑)。倉嶋さんは、お天気キャスターとして今も昔も私にとって到達できない永遠の目標です。(森田正光)
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