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2002年7月

2002年7月の状況

◆エルニーニョ監視海域の7月の海面水温の基準値(1961〜1990の平均値)との差は+0.7℃。

◆7月の太平洋赤道域の海面水温は東経170度〜西経105度にかけてと東経140度及び東経150 度付近で平年より0.5℃以上高く、東経175度〜西経155度と西経145 度付近では+1℃ 以上の正偏差が見られた。一方、東経125度付近と西経100度〜西経85度では-0.5℃以下の負偏差が見られた。

◆南方振動指数は-0.7。（貿易風の強さの目安。正の値は貿易風が強いことを示す。）

◆太平洋の赤道に沿った表層（海面から深度数百mまでの領域）水温は、東経160度の深度200m付近から西経115度の深度40m付近にかけての広い範囲で平年より1℃以上高かった。太平洋の赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温平年偏差の経度・時間断面図では、7 月初めに東経160度付近に現れた+1℃以上の正偏差域は、7月末には日付変更線付近から西経120度に東へ広がった。


今後の見通し（2002年8月〜2003年2月）

7月の監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.7℃と、6月よりやや小さくなった。しかし、南方振動指数は-0.7と5か月間連続して負の値となっている。また、赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温を見ると、平年より1℃以上高い領域が東に進んでおり、今後、監視海域の海面水温の基準値との差を再び増大させる可能性が高い。
エルニーニョ予測モデルは、予測期間中を通じて監視海域の海面水温の基準値との差が7月と同程度からやや大きい状態が続くと予測している。
以上のことから、今後監視海域の海面水温は基準値より高い状態が続き、現在のエルニーニョ現象は少なくとも年内は続くと予測される。





2002年7月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤：28℃以上　　(下)青：平年より低い




エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差(1978年1月〜）
緑線は5か月移動平均値
赤：エルニーニョ現象　青：ラニーニャ現象　発生期間
気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。


 2001年 2002年
エルニーニョ監視指数 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
基準値との差(℃) +0.1 -0.4 -0.4 -0.4 -0.4 -0.4 +0.1 +0.3 +0.4 +0.6 +0.9 +0.7
5か月移動平均(℃) -0.1 -0.2 -0.3 -0.4 -0.3 -0.1 0.0 +0.2 +0.5 +0.6

南方振動指数 -0.7 +0.1 -0.1 +0.6 -0.8 +0.3 +0.7 -0.2 -0.1 -1.3 -0.4 -0.7

6月
8月

資料提供：気象庁
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