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2002年12月

2002年12月の状況

◆エルニーニョ監視海域の12月の海面水温の基準値(1961〜1990年の平均値)との差は+1.4℃

◆12月の太平洋赤道域の海面水温は日付変更線付近から西経95度にかけて平年より1℃以上高く、西経175度から西経145度と、西経110度から西経100度にかけて+1.5℃以上の正偏差が見られた。

◆南方振動指数は-1.0。(貿易風の強さの目安。正の値は貿易風が強いことを示す。)

◆太平洋の赤道に沿った表層(海面から深度数百mまでの領域)水温は、西経120度以東の深度30mから100mで平年より3℃以上高かった。一方、東経170 度以西の深度80mから170mでは-2℃以下の負偏差が見られた。太平洋の赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温平年偏差の経度・時間断面図では、10月半ばに東経170度から西経90度に分布していた+1℃以上の正偏差域がその後東進し、12月末にはその西端が西経100 度に到達したが、12月半ば以降、西経160度から西経125度にかけて再び+1℃以上の正偏差が見られた。一方、12月初めに西部で現れた-1℃以下の負偏差域は東方へ拡がり、12 月末にはその東端が東経170 度に達した)。


今後の見通し(2003年1月〜2003年7月)

12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.4℃と3 か月連続して+1℃を上まわった。また、南方振動指数は-1.0と10か月連続して負の値が続いている。 太平洋の赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温では、日付変更線以東で11月に見られた+2℃以上の正偏差域はほとんど消滅し、日付変更線以西でも-1℃以下の負偏差域が東へ拡がった。これらの状況は、現在のエルニーニョ現象がほぼ最盛期にあることを示している

エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温の基準値との差が、今後4 月までやや減少する傾向を示すものの、夏には12月と同程度の値に回復すると予測している。

過去のエルニーニョ現象のうち、秋から冬にかけて監視海域の海面水温の基準値からの差が極大となった事例では、春にむかって基準値かの差は減少する傾向を示すものの、正の値を保つことが多い。しかし、夏以降は正・負様々な値をとり決まった傾向は見られない。

太平洋熱帯域における大気・海洋の現況、エルニーニョ予測モデルの結果、過去のエルニーニョ現象に見られる統計的な性質を総合的に判断すると、現在のエルニーニョ現象は少なくとも春の期間中続くと予測される





2002年12月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤:28℃以上  (下)青:平年より低い



エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差(1978年1月〜)
緑線は5か月移動平均値
赤:エルニーニョ現象 青:ラニーニャ現象 発生期間

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。


2002年
エルニーニョ監視指数 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
基準値との差(℃) -0.4 +0.1 +0.3 +0.4 +0.6 +0.9 +0.7 +0.7 +0.9 +1.1 +1.5 +1.4
5か月移動平均(℃) -0.1 0.0 +0.2 +0.5 +0.6 +0.7 +0.8 +0.9 +1.0 +1.1

南方振動指数 +0.3 +0.7 -0.2 -0.1 -1.3 -0.4 -0.7 -1.2 -0.5 -0.5 -0.4 -1.0

11月
1月

資料提供:気象庁
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