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2003年1月

2003年1月の状況

◆エルニーニョ監視海域の1月の海面水温の基準値(1961〜1990年の平均値)との差は+0.8℃

◆1月の太平洋赤道域の海面水温は日付変更線付近から西経95度にかけて平年より0.5℃以上高く、、東経175 度から西経125 度および西経90 度付近では+1℃以上の正偏差が見られた。

◆南方振動指数は-0.1。(貿易風の強さの目安。正の値は貿易風が強いことを示す。)

◆太平洋の赤道に沿った表層(海面から深度数百m までの領域)水温は、西経135 度の深度100m から西経90 度の深度40m にかけて平年より2℃ 以上高かった。一方、西経160 度以西の深度80m から175m では−2℃ 以下の負偏差が見られた(図3)。太平洋の赤道に沿った海面から深度260m までの平均水温平年偏差の経度− 時間断面図では、12 月半ばに西経175 度以東に分布していた+1℃ 以上の正偏差域が1 月半ばに南米沖まで東進し、その後1 月末に は+1℃ 以上の正偏差域は見られなくなった。一方、1 月初めに西経175 度以西見られた負偏差域は、1 月末には西経170 度付近を除く西経130 度以西に拡がった。


今後の見通し(2003年2月〜2003年8月)

1月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.8℃ と4 か月ぶりに+1℃ を下まわった。また、南方振動指数は−0.1 と貿易風の状況はほぼ平年並となった。太平洋赤道域の海面水温は、東部で+1℃ 以上の正偏差域が縮小し、太平洋の赤道に沿った表層水温では、東部の正偏差域が急速に縮小するとともに、西部の負偏差域が東へ拡がった。

エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温の基準値との差が、今後4 月まで+1℃ 前後の値が続き、5 月以降は+1℃ をやや上まわる値で推移すると予測している。しかし、現在のところ監視海域の海面水温の基準値との差を増大させる要因は見られない。

また、太平洋赤道域の海面水温や表層水温の状況から、今回のエルニーニョ現象は最盛期を過ぎ、衰えつつあると判断される。
したがって、現在のエルニーニョ現象は春までは続くものの、次第に終息に向かう可能性がでてきた





2003年1月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤:28℃以上  (下)青:平年より低い



エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差(1978年1月〜)
緑線は5か月移動平均値
赤:エルニーニョ現象 青:ラニーニャ現象 発生期間

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。


2002年 2003年
エルニーニョ監視指数 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
基準値との差(℃) +0.1 +0.3 +0.4 +0.6 +0.9 +0.7 +0.7 +0.9 +1.1 +1.5 +1.4 +0.8
5か月移動平均(℃) 0.0 +0.2 +0.5 +0.6 +0.7 +0.8 +0.9 +1.0 +1.1 +1.2

南方振動指数 +0.7 -0.2 -0.1 -1.3 -0.4 -0.7 -1.2 -0.5 -0.5 -0.4 -1.0 -0.1

12月
2月

資料提供:気象庁
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