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2006年12 月

●太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で平年より高く、中部から東部にかけて正偏差が顕著だった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、東部で顕著な正偏差が、西部で負偏差が見られた。太平洋赤道域中部の東西風は上層で東風偏差、下層で平年並だった。

●エルニーニョ監視海域の海面水温は、冬は基準値よりやや高い値で推移し、春以降は基準値に近い値で推移すると予測され、現在のエルニーニョ現象は春に終息する可能性が高い




2006年12月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤:28℃以上  (下)青:平年より低い

2006年12月の状況

◆エルニーニョ監視海域(北緯5度〜南緯5度、西経150度〜西経90度)の12月の海面水温の基準値(前年までの30年間の平均値)との差は+1.1℃だった。

◆南方振動指数は-0.1だった。(貿易風の強さの目安。正の値は貿易風が強いことを示す。)

◆12月の太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高く、東経170度から西経90度にかけて平年より1℃以上高かった。西経170度と西経110度付近では平年より1.5℃以上高い正偏差が見られた。

◆太平洋の赤道に沿った海面水温平年偏差の経度−時間断面図によると、8月下旬以降、東経165度付近から南米沿岸にかけて +0.5℃以上の正偏差が持続しており、12月下旬にはほぼ全域にひろがった。10月中旬以降、西経175度付近で+1.5℃以上の正偏差が持続していた。また、11月下旬に西経120度付近に現れた+1.5℃以上の正偏差は、12月下旬には西経100度付近に見られた。

◆12月の太平洋の赤道に沿った表層(海面から深度数百mまでの領域)水温は、東経170度以東の深度140m以浅で+1℃以上の正偏差が見られた。西経110度以東の深度50m付近には+3℃以上の正偏差が見られた。一方、東経150度から西経160度にかけての深度80mから220mでは-1℃以下の負偏差が見られた。

◆太平洋の赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温平年偏差の経度−時間断面図によると、10月上旬に東経175度付近に現れた+1℃以上の正偏差は東進し、12月下旬には南米沿岸に達した。一方、11月中旬に東経140度付近に現れた-0.5℃以下の負偏差は、12月下旬には東経160度付近に見られた。

◆12月の中部太平洋の赤道東西風指数は、大気の上層で東風偏差、下層では平年並を示し、日付変更線付近のOLR指数は正偏差を示していた。

◆12月中旬にインド洋西部で赤道季節内振動の対流活発な位相が見られ、下旬にはインドネシア付近に東進した。これに伴い、太平洋赤道域の大気下層では、12月下旬に西部で東風偏差が見られた。


今後の見通し(2007年1月〜2007年7月)

12月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+1.1℃で、10月の5か月移動平均値は+0.8℃だった。
12月の太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で平年より高く、中部から東部にかけて平年より1℃以上高い正偏差が見られた。
海洋表層の水温では、東部で顕著な正偏差が、西部で負偏差が見られた。12月の太平洋赤道域中部の東西風は上層で東風偏差、下層で平年並だった。日付変更線付近の対流活動は9月から12月にかけて平年より活発だった。
一方、インドネシア付近では10月以降対流活動が不活発な状態が続いていたが、12月下旬には赤道季節内振動の対流活発な位相がインド洋からインドネシア付近に東進した。これに伴って12月下旬に西部の大気下層で東風偏差が見られた。

10月上旬に東経175度付近に現れた+1℃以上の表層水温の正偏差は東進して12月下旬には南米沿岸に達した。12月下旬に見られた西部の東風偏差に対応して、今後日付変更線付近で表層水温の負偏差が強まることが考えられる。この負偏差が今後東進し、東部の海面水温を下降させるにはなお2か月程度を要すると考えられる。

エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温が、冬の間は基準値よりやや高い値で推移し、春以降は基準値に近い値で推移すると予測している。

以上のことから、エルニーニョ監視海域の海面水温は、冬は基準値よりやや高い値で推移し、春以降は基準値に近い値で推移すると予測され、現在のエルニーニョ現象は春に終息する可能性が高い



エルニーニョ監視海域:北緯5度〜南緯5度、西経150度〜90度



エルニーニョ監視海域の月平均海面水温の基準値との差(上)と南方振動指数(下・!印は速報値)
(1996年1月〜2006年12月)

太線は5か月移動平均値
赤:エルニーニョ現象 青:ラニーニャ現象 発生期間

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。


2006年
エルニーニョ監視指数 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
基準値との差(℃) -0.9 -0.4 -0.8 -0.2 0.0 0.0 +0.1 +0.4 +0.8 +0.9 +1.0 +1.1
5か月移動平均(℃) -0.8 -0.7 -0.5 -0.3 -0.2 +0.1 +0.3 +0.4 +0.6 +0.8
南方振動指数 +1.2 +0.1 +1.3 +1.0 -0.8 -0.4 -0.8 -1.3 -0.5 -1.2 +0.1 -0.1

【 海面水温データと基準値の変更について 】
2006年3月より新しい海面水温データへの変更に伴い、エルニーニョ監視海域が北緯5度〜南緯5度、西経150度〜90度になりました。
また、海面水温の基準値はその年の前年までの30年間の各月の平均値に変更されました。
▲詳しくは気象庁発表資料をご参照下さい。

11月
1月

資料提供:気象庁
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