平常の状態からラニーニャ現象の状態に近づきつつある。
秋から冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性がある。
2011年9月の海面水温(上)と平年偏差(下)
2011年9月の状況
平常の状態からラニーニャ現象の状態に近づきつつある。
エルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より低い値(基準値との差は-0.6℃)だった。太平洋赤道域の中部か
ら東部にかけての海面水温は平年より低い値だった。太平洋赤道域の海洋表層の水温
は、西部で平年より高く、中部から東部にかけて平年より低かった。太平洋赤道域の
大気では、西部で平年よりも対流活動が活発で、下層では西部から中部にかけて平年より強い東風
が続いた。これらの状況は、平常の状態からラニーニャ現象の状態に近づきつつある
ことを示している。
今後の見通し(2011年10月〜2012年4月)
西太平洋熱帯域:9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった。今後、基 準値に近づき、秋から冬にかけて基準値に近い値で推移すると予測される。
インド洋熱帯域:9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった。予測期間中、 基準値に近い値で推移すると予測される。
秋から冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性がある。
エルニーニョ予測モデ
ルは、予測期間中、エルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値で推移すると予測している
。しかし、秋から冬の始めにかけての予測は先月の予測よりも低い値になっていることや、9月の実況が先月の予測の下限に近い値となったことを考慮すると、基準値より低い値が今後続くこ
とが考えられる。以上のことから、秋から冬にかけてラニーニャ現象が発生する可能性がある。
西太平洋熱帯域:9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった。今後、基 準値に近づき、秋から冬にかけて基準値に近い値で推移すると予測される。
インド洋熱帯域:9月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった。予測期間中、 基準値に近い値で推移すると予測される。
エルニーニョ監視海域:北緯5度〜南緯5度、西経150度〜90度
各監視指数の最近10年間の経過
(2001年1月〜2011年9月)
気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。
2010年 | 2011年 | |||||||||||
エルニーニョ監視指数 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
基準値との差(℃) | -1.6 | -1.6 | -1.5 | -1.4 | -0.8 | -0.7 | -0.3 | -0.1 | +0.1 | 0.0 | -0.4 | -0.6 |
5か月移動平均(℃) | -1.4 | -1.5 | -1.4 | -1.2 | -0.9 | -0.7 | -0.4 | -0.2 | -0.2 | -0.2 | ||
南方振動指数 | +1.8 | +1.5 | +3.0 | +1.8 | +1.9 | +2.0 | +2.2 | +0.4 | +0.4 | +1.2 | +0.5 | +1.1 |
資料提供:気象庁