2009年7月
概況

梅雨前線が本州付近におおむね停滞し、また、北日本では気圧の谷の影響を受けやすかったため、北日本から西日本にかけては曇りや雨の日が多かった。このため北日本から西日本にかけては降水量が多く、日照時間が少なかった。北日本太平洋側では月降水量が7月の最も多い記録(地域平均の統計を取り始めた1946年以降)を更新し、北日本日本海側と西日本日本海側では月間日照時間が7月としては最も少ない値となった。

また、北日本から西日本にかけては、前線や低気圧および湿った気流の影響により各地で大雨が降った。中でも19日から26日にかけては、日本海から中国・九州北部地方に位置した梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が断続的に流れ込んで前線の活動が非常に活発になったため、局地的に1時間100ミリを超える猛烈な雨が降り、16のアメダス観測所で総雨量500ミリ以上を記録する豪雨が中国・九州北部地方で発生した。一方、沖縄・奄美では太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多かった。

気温は、北日本では前半は平年を上回り、後半は寒気やオホーツク海高気圧の影響により平年を下回った。東日本から沖縄・奄美にかけては平年を上回る期間が長かったが、月のはじめは西日本と沖縄・奄美で、下旬は東・西日本で、それぞれ寒気や曇雨天の影響により一時的に平年を下回った。


黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
平均気温

月平均気温は、沖縄・奄美で高かった。一方、北日本では低く、北海道では平年を1℃以上下回ったところがあった。東日本と西日本では平年並だった

降水量

月降水量は、北日本でかなり多く、東日本日本海側と西日本で多かった。これらの地域では平年の170%を上回ったところがあり、北海道では平年の300%を上回ったところもあった。釧路、苫小牧(以上、北海道)、むつ(青森県)、呉(広島県)、山口など10地点で7月の月降水量の最大値を更新した。一方、沖縄・奄美では少なく、東日本太平洋側では平年並だった

日照時間

月間日照時間は、北日本日本海側、東日本、西日本でかなり少なく、北日本太平洋側で少なかった。特に北日本から西日本にかけての日本海側では、平年の60%未満となったところが多かった。寿都(北海道)、輪島(石川県)、岐阜、舞鶴(京都府)、姫路(兵庫県)など11地点で7月の月間日照時間の最小値を更新した。沖縄・奄美では平年並だった


平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
◇記録を更新した地点
月降水量多い記録
降水量 平年値 備考
雄武 270.0mm 86.0mm
網走 209.5mm 77.9mm
釧路 278.5mm 115.4mm
根室 336.5mm 100.8mm
苫小牧 371.0mm 145.5mm
江差 380.5mm 118.1mm
紋別 248.0mm 88.8mm
むつ 375.5mm 122.8mm
594.0mm 206.4mm
山口 758.0mm 299.2mm

月日照時間少ない記録
日照時間 平年値 備考
寿都 86.4h 169.9h
輪島 59.1h 172.8h
高田 65.2h 165.1h
岐阜 83.6h 170.6h
石廊崎 82.2h 175.9h
勝浦 68.8h 169.2h
舞鶴 55.3h 161.1h
津山 73.8h 157.4h
福山 110.5h 202.1h
姫路 91.6h 175.3h
雲仙岳 43.8h 113.3h
資料提供:気象庁
6月 8月