2010年3月
概況

日本の南で高気圧が平年より強かったため、南から暖かく湿った気流が入りやすく、北日本から西日本にかけては、低気圧や前線の影響を受けやすかった。上旬は本州付近を次々と低気圧が通り天気がぐずついたほか、中旬以降も数日おきに低気圧が本州付近を通過し、平年に比べ曇りや雨または雪の日が多かった。このため、北日本日本海側と東・西日本では月降水量はかなり多く、特に東日本太平洋側では地域の統計を始めた1946年以来、3月としての最大値を更新した。また、北日本と東日本日本海側、西日本日本海側では月間日照時間がかなり少なく、北日本日本海側と東日本日本海側では3月としての最小値を更新した。

一方、沖縄・奄美では、低気圧や前線が平年より北を通過することが多かったため平年に比べ晴れの日が多く、月降水量はかなり少なかった。

月平均気温は、北日本で平年並、東日本以西で高かったが気温の変動が大きかった。

上旬と中旬は、一時的に寒気の影響を受けた上旬の終わりを除き、南から暖かい空気が入り気温は平年を上回る日が多かった。一方、月末にはこの時期としては強い寒気が流れ込んだ影響で全国的に顕著な低温となった。


黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
平均気温

月平均気温は、東日本から沖縄・奄美にかけて高かった。北日本では平年並だった。なお、全国的に気温の変動が大きかった。

降水量

月降水量は、北日本日本海側、東日本および西日本でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。これらの地域では平年の170%を上回ったところがあり、諏訪(長野県)、静岡、尾鷲(三重県)など9地点で3月の月降水量の最大値を更新した。一方、沖縄・奄美ではかなり少なく、名護(沖縄県)では、3月の月降水量の最小値を更新した。

日照時間

月間日照時間は、北日本および東日本から西日本にかけての日本海側でかなり少なく東日本から西日本にかけての太平洋側で少なかった。特に北日本から西日本にかけての日本海側では、平年の80%を下回ったところが多く、輪島(石川県)、福井、鳥取など6地点で3月の月間日照時間の最小値を更新した。一方、沖縄・奄美では多かった

降雪・積雪

降雪の深さ月合計は東日本日本海側で少なく、北日本日本海側と西日本日本海側では平年並だった。北日本太平洋側では多かった。なお、留萌、旭川(以上、北海道)では、3月の降雪の深さ月合計の最大値を更新した。月最深積雪は、北日本から西日本にかけての日本海側では平年を下回ったところが多かった。一方、北日本太平洋側では平年を上回ったところが多く、八戸(青森県)では、3月の月最深積雪の最大値を更新した。


平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
◇記録を更新した地点
月降水量多い記録
降水量 平年値 備考
諏訪 159.5mm 85.6mm
飯田 266.5mm 127.8mm
河口湖 182.0mm 92.2mm
伊良湖 197.0mm 118.2mm
静岡 381.5mm 212.5mm
三島 289.5mm 161.9mm
尾鷲 444.5mm 238.1mm
網代 299.5mm 150.6mm
219.0mm 132.1mm

月降水量少ない記録
降水量 平年値 備考
名護 38.5mm 161.2mm

資料提供:気象庁
2月 4月