2011年5月
概況 低気圧や前線および台風の影響により、全国的に降水量が多く、日照時間が少なかった。特 に、前線や台風の影響を多く受けた東日本太平洋側と西日本、沖縄・奄美では、1946 年以降5 月としては月降水量の多い方から第2 位となった。また、沖縄・奄美では5 月としては最も少 ない月間日照時間を更新した。
上旬は、前線や低気圧の影響で曇りや雨の日が多かった。中旬は移動性高気圧に覆われ晴れ の日が多かったが、下旬には太平洋高気圧の強まりにより、日本の南に前線が停滞して湿った 空気の影響を受けることが多くなり、九州南部(23 日ごろ)、四国地方、中国地方、近畿地方 (26 日ごろ)、東海地方、関東甲信地方(27 日ごろ)では平年よりかなり早く梅雨入りした(速 報値)。また、月末の27 日から30 日にかけて、日本の南に停滞する梅雨前線と台風第2 号の影 響により北海道を除く全国各地で大雨となり、福井県など記録的な大雨となったところもあっ た。

黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
平均気温

月平均気温は、北海道地方と沖縄・奄美で低く、特に北海道地方では平年を1℃以上下回っ たところが多かった。東北地方、東日本、西日本では平年並であった。

降水量

月降水量は、東日本、西日本、沖縄・奄美ではかなり多く、北日本で多かった。新庄(山形 県)、名古屋(愛知県)、京都、宮古島(沖縄県)など全国22 地点で5 月の降水量の最大値を更 新した。

日照時間

月間日照時間は、全国で少なく、特に、北日本日本海側、西日本日本海側、沖縄・奄美でか なり少なかった。沖永良部(鹿児島県)、那覇、名護、久米島(以上、沖縄県)の4 地点で5 月 の月間日照時間の最小値を更新した。


平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
◇記録を更新した地点
月降水量多い記録
降水量 平年値 備考
新庄 206.5mm 104.7mm
福井 365.5mm 146.2mm
高山 341.0mm 136.9mm
敦賀 499.5mm 142.2mm
名古屋 330.5mm 156.5mm
飯田 345.0mm 158.4mm
甲府 301.0mm 86.3mm
網代 382.0mm 166.7mm
松江 375.5mm 134.6mm
347.5mm 130.8mm
米子 378.5mm 122.9mm
鳥取 366.5mm 130.6mm
豊岡 418.0mm 128.7mm
舞鶴 517.5mm 144.5mm
京都 415.0mm 160.8mm
福山 330.0mm 123.8mm
岡山 303.0mm 125.0mm
山口 411.5mm 200.7mm
多度津 358.5mm 113.9mm
清水 511.5mm 235.8mm
宮古島 529.5mm 207.7mm
沖永良部 460.0mm 182.7mm



月間日照時間少ない記録
日照時間 平年値 備考
久米島 67.8h 142.6h
那覇 75.7h 145.8h
名護 60.9h 139.7h
沖永良部 61.7h 158.2h
資料提供:気象庁
4月 6月