2011年6月
概況 梅雨前線や暖かく湿った気流の影響により、西日本や北・東日本日本海側を中心に大雨の日 があったため、月降水量は北日本日本海側ではかなり多く、西日本では多かった。また、平年 に比べて曇りや雨の日が多かった西日本では月間日照時間はかなり少なく、北日本日本海側と 東日本太平洋側では少なかった。
上旬から中旬にかけては、梅雨前線が九州から本州の南岸に停滞した。また太平洋高気圧は、 月の前半は西に平年より強く張り出した。沖縄地方では太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多く なり、沖縄地方では梅雨の統計を開始した1951 年以降、最も早い9 日ごろに梅雨明けした(速 報値)。一方、南から暖かく湿った気流が流れ込んだ九州では中旬には大雨の日が続き、中旬の 降水量が1,000 ミリ前後に達する大雨となったところがあった。
下旬には太平洋高気圧は本州の南で強まり、梅雨前線は日本海から北陸、東北地方まで北上 して停滞した。東北地方から北陸地方の所々で大雨となったほか、下旬中頃には台風第5 号が 先島諸島から東シナ海を北上した影響により西日本太平洋側でも所々で大雨となった。その後 も北日本では梅雨前線の影響を受け、また東日本以西では暖かく湿った気流の影響を受けて雲 が広がりやすかったが、東・西日本太平洋側では晴れて所々で猛暑となった。下旬の平均気温は、東・西日本では旬の統計を開始した1961 年以降、6 月下旬としては最も高い値を更新した。 また、24 日には熊谷(埼玉県)で6 月としての国内最高気温となる39.8℃を記録した。なお、 奄美地方は22 日ごろ、九州南部は28 日ごろ梅雨明けした(速報値)。
月平均気温は、ほぼ月を通して気温が平年を上回った沖縄・奄美ではかなり高かった。また、 月のはじめや中旬に気温が平年を下回る時期があった北・東・西日本でも月平均気温は高くな った。

黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
平均気温

月平均気温は、全国的に高く、沖縄・奄美でかなり高かった。東日本では平年を1℃以上上 回った。

降水量

月降水量は、北日本日本海側ではかなり多く、西日本で多かった。酒田(山形県)、雲仙岳(長 崎県)、人吉(熊本県)、阿久根(鹿児島県)など全国6 地点で6 月の降水量の最大値を更新し た。北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並で、東日本太平洋側、沖縄・奄美では少なか った

日照時間

月間日照時間は、西日本でかなり少なく、北日本日本海側、東日本太平洋側で少なかった。 雲仙岳、福江(以上、長崎県)の2地点で6 月の月間日照時間の最小値を更新した。北日本太平洋側、東日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。


平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
◇記録を更新した地点
月平均気温高い記録
平均気温 平年値 備考
上野 23.0℃ 21.4℃ タイ記録

月降水量多い記録
降水量 平年値 備考
新庄 298.0mm 127.2mm
酒田 391.0mm 120.7mm
雲仙岳 1171.0mm 522.2mm
阿久根 1027.0mm 381.0mm
人吉 1042.5mm 475.1mm
牛深 1034.0mm 346.7mm



月間日照時間少ない記録
日照時間 平年値 備考
雲仙岳 35.3h 104.2h
那覇 42.3h 133.7h
資料提供:気象庁
5月 7月