2009年6月

エルニーニョ現象が発生しているとみられ、冬までは持続する可能性が高い。

インド洋熱帯域の海面水温は、夏の間、基準値に近い値で推移すると予測される。


2009年6月の海面水温(上)と平年偏差(下)
(上)赤:28℃以上  (下)青:平年より低い
2009年6月の状況

6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.7℃で 、4月の5か月移動平均値は0.0℃、また、南方振動指数は0.0だった。

6月の太平洋赤道域の海面水温は、ほぼ全域で正偏差だった。海洋表層の水温は、太平洋赤道域のほぼ全域で正偏差だった。

6月の太平洋赤道域の大気下層では、ほぼ全域で西風偏差が見られた。

今後の見通し(2009年7月〜2010年1月)

太平洋赤道域のほぼ全体で暖水の蓄積が見られ 、エルニーニョ現象の初期に見られる海洋の特徴を示していることから、今後、東部の海面水温偏差の上昇が考えられる。

また、エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差が 、秋から冬にかけて上昇する傾向を予測している。

以上のことから、エルニーニョ現象が発生しているとみられ 、冬までは持続する可能性が高いと考えられる。

西太平洋熱帯域の海面水温は、春以降、概ね基準値に近い値で推移した。西部太平洋熱帯域の海面水温は、夏の間は基準値に近い値で推移すると予測される。

インド洋熱帯域の海面水温は、昨秋以降、概ね基準値に近い値で推移した。インド洋熱帯域の海面水温は、夏の間は基準値に近い値で推移すると予測される。

エルニーニョ現象の初期の段階であるため、6月の日本の天候への影響は明瞭ではなかった。今後の日本の天候については、最新の季節予報を参照されたい。


エルニーニョ監視海域:北緯5度〜南緯5度、西経150度〜90度

各監視指数の最近10年間の経過
(1999年1月〜2009年6月)
折線は月平均値、滑らかな太線は5か月移動平均値
赤:エルニーニョ現象 青:ラニーニャ現象 発生期間

気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が
6か月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、
6か月以上続けて-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としている。

2008年 2009年
エルニーニョ監視指数 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月
基準値との差(℃) +0.5 +0.6 +0.2 -0.2 -0.1 -0.6 -0.5 -0.6 -0.6 -0.1 +0.4 +0.7
5か月移動平均(℃) +0.2 +0.2 +0.2 0.0 -0.2 -0.4 -0.5 -0.5 -0.3 0.0
南方振動指数 +0.2 +1.0 +1.2 +1.6 +1.5 +1.6 +0.8 +1.3 +0.3 +0.9 -0.5 0.0
資料提供:気象庁
5月 7月