上旬は高気圧に覆われて晴れる日が多かった。中旬からは天気は周期的に変わったものの、低気圧は日本海を進むことが多くまた発達することも少なかったことから、東日本太平洋側を除いた全国で月降水量が少なかった。特に、西日本と東日本日本海側では月降水量はかなり少なく、西日本太平洋側は地域平均の統計をとり始めた1946年以降、5月としては最も少ない記録を更新した。なお、上旬と下旬には寒気を伴った低気圧が本州の南岸をゆっくりと進み、太平洋側では天気のぐずついた時期があり、東日本太平洋側での月降水量は多くなった。
一方、沖縄・奄美では、月前半は高気圧に覆われたため、晴れて降水量の少ない状況が続いた。月後半からは前線の影響により曇りや雨の日が多くなり、沖縄地方と奄美地方では平年より遅い18日頃に梅雨入りした。
北日本から西日本にかけては、中旬の一時期を除き寒気の影響を受けにくく、気温は平年より高く経過した。特に、北日本と東日本の月平均気温はかなり高く、北日本は1946年以降で1970年、1956年と並び5月としては最も高い値となった。一方、沖縄・奄美では、上旬と下旬に寒気が流入したことから月平均気温は低くなった。
月平均気温は、北日本と東日本でかなり高く、西日本で高かった。大船渡(岩手県)では、5月の月平均気温の最高値を更新した。一方、沖縄・奄美では低かった。
月降水量は、東日本日本海側、西日本でかなり少なく、北日本、沖縄・奄美で少なかった。これらの地域では平年の40%未満となったところがあり、山形、福島、高知、枕崎(鹿児島県)など10地点で5月の月降水量の最小値を更新した。一方、東日本太平洋側では多かった。
月間日照時間は、沖縄・奄美でかなり多く、北日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。油津(宮崎県)、種子島、屋久島、沖永良部(以上、鹿児島県)では、5月の月間日照時間の最大値を更新した。一方、東日本では少なく、北日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。
月平均気温高い記録 | |||
平均気温 | 平年値 | 備考 | |
大船渡 | 15.3℃ | 13.6℃ | |
仙台 | 16.5℃ | 14.9℃ | タイ記録 |
宇都宮 | 18.9℃ | 16.8℃ | タイ記録 |
月降水量少ない記録 | |||
降水量 | 平年値 | 備考 | |
山形 | 19.5mm | 81.3mm | |
石巻 | 22.5mm | 98.2mm | |
福島 | 14.0mm | 87.5mm | |
小名浜 | 37.5mm | 147.0mm | |
萩 | 31.0mm | 132.8mm | |
福山 | 27.0mm | 110.9mm | |
延岡 | 105.0mm | 234.0mm | |
枕崎 | 31.0mm | 219.4mm | |
油津 | 131.5mm | 277.2mm | |
高知 | 48.5mm | 260.9mm |
月日照時間多い記録 | |||
日照時間 | 平年値 | 備考 | |
油津 | 222.6h | 162.1h | |
屋久島 | 228.3h | 150.3h | |
種子島 | 222.0h | 164.9h | |
沖永良部 | 213.8h | 158.9h |