2011年7月
概況 月のはじめは梅雨前線の影響により北・東・西日本では曇りや雨の日が多く、北日本では南 からの暖かい気流の影響で気温が平年を大きく上回った。上旬の北日本の平均気温は、統計を 開始した1961 年以降7 月上旬としては最も高い値を更新した(平年との差:+3.0℃)。上旬後 半から月半ばにかけては太平洋高気圧が日本付近で強まり上空の偏西風も北に蛇行し暖かい空 気に覆われやすくなったことから、東日本を中心に所々で猛暑日となった。中旬の東日本の平 均気温は7 月中旬としては1961 年以降最も高い値を更新した(平年との差:+2.9℃)。なお、 四国、中国、近畿、東海地方では8 日ごろ、九州北部、関東甲信、北陸地方では9 日ごろ、東 北南部、東北北部では11 日ごろ、梅雨明けした(速報値)。 中旬後半には日本付近での太平洋高気圧の勢力は弱まり、18 日には台風第6 号が四国の南を 北上、20 日には徳島県南部に上陸した後、潮岬付近を通過、その後本州の南海上を南東進した。 東・西日本太平洋側を中心に大雨となり、四国や紀伊半島などの所々では総降水量が1,000 ミ リ前後となる記録的な大雨となった。 下旬は、上空の寒気や湿った気流の影響により、北海道を除いて雲が広がりやすく、所々で にわか雨や雷雨となった。27~30 日にかけては、新潟県と福島県会津を中心に大雨となった。 前線が朝鮮半島から北陸地方を通って関東の東に停滞し、前線に向かって非常に湿った気流が 流れ込み、大気の状態が不安定となったため、4 日間の総降水量が7 月の平年の月降水量の2 倍以上に相当する記録的な大雨となり、甚大な災害が発生した(「平成23 年7 月新潟・福島豪雨」)。

黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
平均気温

月平均気温は、北日本から西日本にかけて高く、北・東日本では平年を1℃以上上回った。沖縄・奄美では平年並であった。

降水量

月降水量は、北日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美で少なく、北日本日本海側、東日本では平年並であった。西日本太平洋側では多かった

日照時間

月間日照時間は、北・東日本太平洋側、西日本日本海側で多かった。北・東日本日本海側、西日本太平洋側では平年並で、沖縄・奄美では少なかった


平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
◇記録を更新した地点
記録を更新した地点はありません

資料提供:気象庁
6月 8月