2003年3月30日更新
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【2002/2003年の冬(12〜2月)の特徴】 |
冬の平均気温は北日本で低く、東日本、西日本では平年並、南西諸島では高かった。冬型の気圧配置が強まる時期と、冬型の気圧配置が弱まって高気圧に覆われたり低気圧の影響を受ける時期が交互に現れ、気温は1〜2週間程度の周期で大きく変動した。
冬の前半は北日本を中心に強い寒気が入ることが多く、12月平均気温は北日本と東日本で低くなり、1月上旬も強い寒気が入って全国的に低温となった。1月中旬以降は、強い寒気が南下することは少なくなり、2月には顕著な高温となる時期もあり東日本以西では2月平均気温は高くなった。
日本海側の降雪量は、12月に北・東日本で多かったが1月以降は少なく、冬の合計では全般に平年並か少なかった。また、東・西日本の太平洋側では低気圧の影響を受けることが多く、曇りや雨または雪の日が多かった。 |
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平均気温 |
北日本、東日本で平年を下回ったところが多かった。特に北海道東部では平年を1.0℃以上下回ったところがあった。一方、西日本、南西諸島では平年を上回ったところが多かった。
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降水量 |
東北の太平洋側の一部、東日本の太平洋側及び西日本で平年を上回った。関東甲信・東海の一部では平年の170%を超えたところがあった。銚子(千葉県)で、降水量の3か月合計の最大値を更新した。一方、北海道、東北の日本海側、北陸、南西諸島の一部では平年を下回った。金沢(石川県)、高田(新潟県)で降水量の3か月合計の最小値を更新した。
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日照時間 |
北海道と北陸・南西諸島の一部で平年を上回った。北海道では平年の120%以上となったところがあり、北見枝幸(北海道)で、日照時間の3か月合計の最大値を更新した。そのほかの地方では平年を下回った。小笠原の一部や山陰では平年の80%以下のところがあった。
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積雪・降雪 |
降雪の深さ、積雪の深さともに関東甲信の一部で多かった他は、平年並から少なかった。松本、軽井沢(ともに長野県)で降雪の深さの3か月合計の最大値を更新した。
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記録を更新した地点 |
降水量の多い記録
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降水量 |
平年値 |
銚子 |
498.0mm |
240.3mm |
降水量の少ない記録
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降水量 |
平年値 |
金沢 |
524.5mm |
737.1mm |
高田 |
741.0mm |
1113.3mm |
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日照時間の多い記録
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日照時間 |
平年値 |
北見枝幸 |
371.0h |
264.5h |
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降雪の深さの合計 多い記録
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月合計 |
平年値 |
松本 |
139cm |
64cm |
軽井沢 |
189cm |
91cm |
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黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
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平均気温の平年差の経過(5日移動平均) |
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主な地点における2003 年冬(12 〜2月)の降雪の深さの合計と最深積雪
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降雪の深さ合計 |
最深積雪 |
地点 |
降雪の深さ |
平年値 |
最深積雪 |
起日 |
平年値 |
旭川 |
425 cm |
451 cm |
96 cm |
2/15 |
92 cm |
釧路 |
64 cm |
91 cm |
39 cm |
1/28 |
36 cm |
札幌 |
376 cm |
398 cm |
87 cm |
2/27 |
100 cm |
青森 |
692 cm |
660 cm |
82 cm |
2/1 |
113 cm |
秋田 |
209 cm |
227 cm |
25 cm |
1/25 |
41 cm |
山形 |
233 cm |
261 cm |
61 cm |
1/30 |
50 cm |
盛岡 |
148 cm |
157 cm |
56 cm |
1/29 |
35 cm |
仙台 |
41 cm |
56 cm |
20 cm |
1/23 |
17 cm |
福島 |
96 cm |
106 cm |
20 cm |
1/23 |
25 cm |
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降雪の深さ合計 |
最深積雪 |
地点 |
降雪の深さ |
平年値 |
最深積雪 |
起日 |
平年値 |
新潟 |
119 cm |
152 cm |
27 cm |
12/11 |
38 cm |
長野 |
183 cm |
147 cm |
42 cm |
1/25 |
29 cm |
富山 |
298 cm |
332 cm |
55 cm |
1/6 |
69 cm |
金沢 |
117 cm |
226 cm |
25 cm |
12/11 |
51 cm |
福井 |
133 cm |
222 cm |
36 cm |
1/30 |
60 cm |
岐阜 |
31 cm |
40 cm |
15 cm |
1/30 |
15 cm |
鳥取 |
60 cm |
183 cm |
26 cm |
12/11 |
48 cm |
松江 |
36 cm |
85 cm |
15 cm |
1/21 |
23 cm |
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【大気の流れの特徴】 500hpa天気図
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3か月平均した500hPa高度場では、北極域ではグリーンランドやアラスカ付近で正偏差となり、北半球中高緯度では、ヨーロッパ、北太平洋、北米東部など負偏差となった地域が多かった。
極東域では、東シベリアからオホーツク海周辺が負偏差となり、北日本付近に寒気が南下しやすかったことを示している。
東日本以西は弱い正偏差に覆われた。
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2002年12〜2003年2月の500hpa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域
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