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2004年9月13日更新

 2004年夏のまとめ 【猛暑・豪雨・台風】
片山由紀子 (ウェザーマップ・気象予報士)

2004年の夏は、「記録破りな暑さ・集中豪雨・台風上陸」と話題の多い夏だった。これは夏の天候を決める太平洋高気圧が、6月から強かったことが主な原因だろう。全国的な空梅雨、気圧配置は東海上から高気圧が張り出す「東高西低」の猛暑型になることが多かった。一方で、太平洋高気圧の勢力が一時的に衰えると、上空の寒気や台風の接近により、局地的な豪雨となった。つまり、今年の猛暑と豪雨は隣り合わせだったと言えるだろう。今年の夏を5つに分けてまとめてみた。

1.猛暑効果

全国的に記録破りの暑さとなった7月。山梨県甲府市で国内史上2位の40.4℃(7月21日)、東京大手町で観測史上最高の39.5℃(7月20日)を記録した。そのほか、35℃以上の酷暑日(7月)は京都市で17日、埼玉県熊谷市で16日、大阪市で14日など平年の2〜4倍だった。
その後、8月中旬まで暑さは衰えず、東京の真夏日は過去最長の40日連続となった。
企業の景況感が13年ぶりに改善し、日経平均株価が1万1900円台を回復したところに、この猛暑が加わり幅広い産業にプラス効果となった。




 猛暑でプラス
レジャー関連
 プールや海水浴客が前年比1.5〜2倍
 水族館の入場者数はイルカショーなどが人気を呼び、
 前年を大きく上回る


小売り・外食
 エアコンが前年比二ケタ増産
 ビアガーデンやコーヒーチェーンの売り上げ増
 コンビニの売り上げ過去最高の伸び 7月の売上高は前年の6.8%増
 制汗剤や洗剤など日用品・化粧品の売れ行き好調
 夏野菜が1〜2割値下がり
 辛い食品・牛肉・うなぎなど夏バテ防止食品が売れる
 調理時の暑さを嫌って、唐揚げや天ぷらなど揚げ物総菜が人気


交通機関
 短距離でもタクシー利用
 JR旅客数は7年ぶりに前年を上回る 夏休み期間の行楽が好調


 猛暑でマイナス
 テーマパークと温浴施設が苦戦
 豚が夏バテし、豚肉が高騰
 需要伸びスイカが高値


<
2.集中豪雨

7月は、新潟県と福井県で立て続けに集中豪雨が発生した。
平成16年7月新潟・福島豪雨 平成16年7月福井豪雨
川の上流に降った大雨により、河川が急激に増水し堤防が決壊。濁流が市街地や田畑を呑み込んだ。新潟県では約2万2千棟が浸水被害、農林水産業の被害総額は約366億円に上った。


3.台風上陸

今年は台風の接近・上陸が多く、8月まで過去最多の6個が上陸した。
[ 台風の特徴 ]
上陸地点は四国が最多。
高知県3回、徳島県1回、青森県1回、鹿児島県1回
台風10号は本州の南海上を西進した珍しいコース
徳島県で1200ミリ超の大雨



4.激しい雷雨

太平洋高気圧の縁を回る湿った空気と上空の寒気により、激しい雷雨が頻発。梅雨明け後の大規模雷雨は6回を数えた。
長野県北東部で降ひょう被害 農作物の被害総額は約12億8千万円(7月9日)
中央アルプス駒ヶ岳 落雷でケーブルカーが停止、多数の観光客が未明まで下山できず(7月25日)
富士山頂は氷あられで珍しい白化粧(7月11日)


5.札幌でサマータイム実験

札幌商工会議所が中心となって約220の企業や団体が7月1日から一か月間、サマータイムに参加した。
緯度の高い札幌は昼間の時間が東京より約50分も長い。この特性を生かして消費拡大をねらった。
「涼しいうちに仕事ができる、通勤が楽」などおおむね好評だったが、一方で「朝起きるのがつらい、生活のリズムが崩れる」などの意見もあったようだ。また、期待していた経済効果は評価が分かれた。



<札幌と東京の日の出・日の入り時間(夏至)



【2004年の夏(6〜8月)の特徴】
気象庁報道発表資料より

南西諸島を除き全国的に高温となり、夏平均気温は、東日本では1994 年、1978 年につぐ第3位西日本では1994 年につぐ第2 位タイの記録となった(1946 年以降)。熊本など14 地点では夏平均気温の最高値を更新した。

7 月中旬に梅雨前線の活動が活発化し、新潟・福島豪雨、福井豪雨が発生し甚大な災害をもたらした。その他の時期は全般に梅雨前線の活動は不活発だった。

8 月までの台風上陸数6 個は、統計を開始した1951 年以降で第1 位の記録となった。台風により6 月と8 月に西日本や南西諸島を中心に暴風や大雨となり、甚大な災害をもたらした。


黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)

平均気温

平年を1℃以上上回ったところが多かった。特に北海道のオホーツク海側、関東・東海・九州地方の一部では平年を1.5℃以上上回った。浜松(静岡)、高知、熊本など、東日本から西日本にかけての14 地点で夏の平均気温の最高値を更新し、静岡など7 地点でタイ記録となった。


降水量

東北から北陸地方にかけてと、近畿地方の太平洋側から四国地方にかけては平年を上回ったが、そのほかの地方では平年を下回った。特に、関東地方や九州地方の一部では平年の60%以下となり、前橋(群馬県)、熊谷(埼玉県)では夏の降水量の最小値を更新した。


日照時間

北日本の日本海側と南西諸島を除き平年を上回った。特に、北日本から東日本の太平洋側では平年の130%以上となったところがあった。軽井沢(長野県)では夏の日照時間の最大値を更新した。



記録を更新した地点
平均気温の高い記録

平均気温 平年差
金沢 25.7℃ +1.5℃
河口湖 21.3℃ +1.3℃
伊良湖 26.2℃ +1.6℃
浜松 26.2℃ +1.6℃
静岡 26.1℃ +1.4℃
尾鷲 25.6℃ +1.4℃
大島 24.8℃ +1.6℃
下関 26.5℃ +1.6℃
平戸 25.2℃ +1.3℃
佐世保 26.9℃ +1.5℃
大分 26.5℃ +1.5℃
長崎 27.1℃ +1.5℃
熊本 27.7℃ +1.7℃
延岡 26.0℃ +1.2℃
阿久根 26.4℃ +1.3℃
人吉 25.7℃ +1.2℃
鹿児島 27.7℃ +1.1℃
都城 26.1℃ +1.1℃
牛深 27.2℃ +1.5℃
高知 26.7℃ +1.3℃
宿毛 26.0℃ +1.1℃
降水量の少ない記録

降水量 平年値
前橋 248.0mm 519.0mm
熊谷 221.0mm 500.3mm

日照時間の多い記録

日照時間 平年値
軽井沢 574.1h 417.6h




平均気温の平年差の経過(5日移動平均)
【大気の流れの特徴】 500hpa天気図
500hPa 高度・偏差は、日本付近は正偏差に覆われており、太平洋高気圧の日本付近での勢力が平均的に強かったことを示している。
オホーツク海付近は負偏差となり、オホーツク海高気圧がほとんど出現しなかったことと対応している。
南西諸島付近は負偏差に覆われており、高気圧の西への張り出しは弱く縁辺を台風や熱帯擾乱が通りやすかったことを示している。




2003年夏の天候こちら
2002年夏の天候こちら
それ以前の年についてはデータベース:天候の特徴


2004年6〜8月の500hpa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域

資料提供:気象庁

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