新潟に講演会に言った時の話。
地元の方によると「お金が空から降ってくる」(小学館)という拙著(荻原博子さんとの共著)のタイトルは雪の事をいっているのだと思ったそうだ。
理由を聞いてみると、雪が降ると雪おろしのアルバイトが急に増える。しかもいっせいに行われるのでアルバイト料もはね上がる。だから学生にとって、雪が降る事はまさに「お金が降ってくる」ことにほかならないのだそうだ。
そう思っているのは例外的にその方だけかと思い、他の方にも聞いてみると、やはり学生の頃は雪が降るのが嬉しかったという。
もちろん拙著の主題は天気をビジネスに利用しょうということなのだが、考えてみれば「雪おろし」も立派なビジネスといえる。
北国では雪捨て場があり、積雪量が多いかどうかで自治体の予算も大きく変わってしまう。しかし最近では雪を不要なものとするのではなく、天然の冷蔵庫として利用しようとか、雪そのものを雪の少ない地方に送ったり、雪を商品とする試みなども行われている。もともと雪は「白い石炭」とよばれ、水資源としては極めて重要なエネルギー源でもある。
つまり雪は克服する「克雪」ではなく、利用する「利雪」の時代に入ったといってもいい。
「土俵の中に金が埋まっている」と言ったのは先代若乃花だが、ものは考えようで、ただやっかいなだけと思われていた雪も、やがて必要不可欠な資源としての重要度が増していくように思う。
散漫な文になってしまったが、何を言いたかったかというと、
「お金が空から降ってくる」を読んで下さいという、宣伝です。