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2005年9月29日更新
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【2005年の夏(6〜8月)のまとめ】
片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)
2005年夏は太平洋高気圧が昨年に比べて弱い時期があったが、夏平均気温は全国的に高かった。特に、西日本では梅雨前線の北上が遅れ、平年より0.9℃高く、1946年以降4番目に暑い夏となった。

夏の降水量は西日本で少なく、そのほかは平年並みか多かった。西日本では梅雨後半にまとまった雨が降ったが、春から続いていた少雨は解消できず、四国では11年ぶりの水不足となった。一方、南西諸島では台風5号と9号の接近・通過により、平年の1.6倍となった。与那国島と西表島で夏降水量の極値を更新した。

11年ぶりの大渇水
西日本では今年の春から雨が少なく、梅雨入り後も太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、太平洋側を中心に少雨が続いた。 特に、四国では水不足が深刻で高知県早明浦ダムでは8月19日、1994年以来11年ぶりに生活利水の貯水率がゼロになった。

貯水率が15%を切った8月11日からは香川用水75%カット、徳島用水22%カットの4次取水制限を実施。貯水率がゼロになった19日は発電用水から上水への緊急放水を行った。その後前線の影響で雨が降り、取水制限は一時緩和されたが、台風の接近もなく22日から再び4次取水制限が実施された。

関東地方で雷雨多発
太平洋高気圧が弱いために湿った空気が流れ込みやすく、そこへ上空の冷たい空気が頻繁に本州を通過したため、梅雨明けしても夏空は安定しなかった。
特に、8月は上旬から中旬にかけて連日、大気の状態が不安定となり、山沿いだけでなく平野部でも頻繁に雷雨があった。
雷雨による事故
7月7日
藤沢市で前神奈川県知事岡崎さんの妻娘二人が犬の散歩中に落雷に遭い死亡。
7月7日の天気図
7月31日
千葉県白子町の中里海岸で海水浴客ら9人が落雷で重軽傷。
7月31日の天気図

ひまわり6号運用開始
2月26日18時25分、運輸多目的衛星1号機(MTSAT-1R:ひまわり6号)が鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられた。 正式運用は6月28日正午から始まった。
正式運用後最初の赤外画像(6月28日正午)

COOL BIZ効果
環境省は地球温暖化防止に係る国民運動「チーム・マイナス6%」の活動の1つとして、夏のオフィスの冷房設定温度を28℃程度にすることを呼びかけ、夏の新しいビジネススタイル「クールビズ(COOL BIZ)」を推進し、各企業や省庁は6月1日よりクールビズを実施した。第一生命経済研究所の試算によると、クールビズの効果は1008億円であったと見られる。

全国百貨店の6・7月の売り上げは、総売上・衣料品ともに2ヶ月連続で増加した(日本百貨店協会調べ)。クールビズ効果・クリアランスセールにより夏物衣料等季節商品を中心に順調な動きを見せたことに加え、前年に比べ日曜日が1日多かったこと(7月)、また衣料品、紳士服関係はクールビズ需要からワイシャツ・ジャケット等カジュアル中心に動きが見られたことが原因となった。




【2005年の夏(6〜8月)の特徴】
気象庁報道発表資料より

太平洋高気圧の勢力は平年に比べやや強い程度だったものの、熱帯の海面水温が高く全球的に対流活動が活発だったため、北半球全体で気温が高く、夏平均気温は全国で高温となった。一方、7月前半にはオホーツク海高気圧が出現し、北日本では7月の月平均気温が低温となった。

東日本太平洋側の一部と西日本では、6月の降水量が記録的に少なく、4月以降の少雨による渇水状況が続いた。その後、7月前半を中心に梅雨前線の活動が活発となり多雨となったものの、梅雨明け後の西日本では太平洋高気圧に覆われ再び少雨となり、四国地方を中心に渇水状況が続いた。また、梅雨後半の活発な梅雨前線の活動や盛夏期に暖湿流や上空の寒気の影響を受けたため、ほぼ全国的に雷日数が平年を上回った。

台風の発生は、10個で平年程度(平年11.2個)だった。上陸は2個あり、平年程度(平年1.5個)で、台風第7号と第11号がともに千葉県に上陸した。南西諸島に接近した台風は4個で、平年程度(平年4.4個)だった。


平均気温

全国的に高く、特に西日本ではかなり高かった。真夏日日数(日最高気温30℃以上)は、ほぼ全国的に平年を上回った。


降水量

北日本から東日本にかけては平年並だったが、西日本では少なかった。東海地方から九州地方にかけての所々で、平年の60%未満となり、延岡(宮崎県)、南大東島(沖縄県)では夏の降水量の最小値を更新した。一方、南西諸島ではかなり多く、西表島、与那国島(以上、沖縄県)では夏の降水量の最大値を更新した。


日照時間

東北地方から近畿地方にかけて少なく、南西諸島ではかなり少なかった。そのほかの地方では平年並だった。



記録を更新した地点
降水量の多い記録

降水量 平年値
与那国島 1069.0mm 517.3mm
西表島 1581.5mm 607.6mm
降水量の少ない記録

降水量 平年値
延岡 366.0mm 909.9mm
南大東島 149.5mm 526.4mm



黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)



平均気温の平年差の経過(5日移動平均)



【大気の流れの特徴】 500hPa天気図
夏平均500hPa高度・偏差図では極が正偏差となり極の寒気は放出傾向だが、極周辺の負偏差は高緯度で止まり、中緯度から低緯度にかけては全球的に正偏差の地域が多かった。
日本の南で太平洋高気圧は平年に比べ西へ張り出しており、西日本を中心に高気圧に覆われやすく少雨となったことに対応している。
また、日本付近は、中緯度帯を中心に広がる正偏差に覆われ日本の平均気温が高かったことに対応している。




2004年夏の天候こちら
2003年夏の天候こちら
2002年夏の天候こちら
それ以前の年についてはデータベース:天候の特徴


2005年6〜8月の500hPa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域

資料提供:気象庁

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