(信州大 能勢教授・横浜国大 田中教授の研究をもとに)
今夏は電力不足で冷房が制限されるため、熱中症の増加が懸念される。
暑さが本格化する前、今のうちに運動をして、「暑さに強い体つくり」をしたいものである。
「日本生気象学会」は5月、「熱中症予防の緊急提言」をまとめた。
本格的な夏が来るまえの今の時期こそ、ジョギングなど少し汗をかく程度の運動が必要だという。
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(1)3・3・3
3分間速足で歩く。続いて 3分間ゆっくり歩く。
これを1日30分。1週に3日。そして4週間つづける。
朝夕の涼しい時間に軽い服装でやるのがポイント
(2)運動の直後に飲む
牛乳、ヨーグルト、スポーツドリンクなど
血液中にタンパク質が増えて暑さに強くなり、熱中症の予防に役立つ
(3)水を一口
暑いときは、少量の水で口をうるおす
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この運動の効果について、信州大・能勢教授(スポーツ医学)は
「体内の血液量が増えて体の熱が外に逃げやすくなり、体温の調節機能が改善する。また発汗作用が強まり、熱中症の予防になる」
運動を続けた人たちの血液量や発汗量は、現実に増えて体質改善につながることが実証されたという。
暑い時期に入ってからは、以下のような対策を心掛ける。
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(1)衣服の工夫。下着は吸湿性、速乾性のある化学繊維混紡のものがいい。シャツと下着の間の通気性がよくなる。
(2)冷却グッズもおすすめ。アイスバッグ、冷却パッドなど。
(3)水分の補給。こまめに少量の水分をとる。汗をかくまえ、喉が渇く前にスポーツドリンクを飲むのもよい。
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「適度に汗をかくことは、熱中症予防だけでなく健康づくりにもなる」と田中教授はいう。