北極圏でこの春、観測史上最大のオゾン層破壊が起きていたことが、9か国の解析で明らかになった。
破壊された量は、北極圏のオゾン層全体の約40%、18〜20キロ上空では最大80%に及んだという。
大規模なオゾン層破壊はグリーンランドからシベリア北部の3000キロで、日本列島がはいる大きさである。
オゾン層の濃度は季節によって変化し、北極圏では春に最も薄くなる。スカンジナ半島やロシア北部では、3月から4月にかけて深刻な低オゾン状態が続いたとみられる。
オゾン層は通常20〜25キロ付近にあいり、太陽からの有害な紫外線をブロックしている。この層が破壊されることによって、皮膚ガンや白内緒など人体への影響が懸念される。
今年の冬は、北極上空にできる低気圧の渦(極渦)が、過去30年で最大となると予想され、オゾン層の破壊がさらに進むともいわれる。これまでは南極のオゾンホール
が注目されていたが、今後は北極にも注意を払わねばならない。