特別コラム「昔の予報官」

<< 最初 < 前 13 14 15 16 17 次 > 最後 29 >>
彗星にアミノ酸
2009.8.19
1ヶ月前は皆既日食で日本中が沸き立った。いまは衆議院の選挙で8月一杯は熱い夏がつづく。
ここでひととき、目を転じて夜空を見上げて見てはいかが。

米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所は17日、彗星探査機スターダストが採取したチリから「アミノ酸」を初めて発見したと発表した。

アミノ酸はタンパク質を作る材料で、生命の誕生には欠かせない。「地球の生命は宇宙から彗星や隕石によってもたらされた」とする説を裏付ける発見となりそうである。
 
「スターダスト」は5年も前の2004年1月、地球から4億キロも離れた「ビルト2彗星」からチリを採取した。それを2年後に米ユタ州の砂漠に落下させて回収、それからさらに3年の研究をかけて今回の発見がもたらされた。
(8月19日付 読売新聞・毎日新聞より)
日食で明かされる謎
2009.7.21
1919年英国の科学者アーサーエディントはアインシュタインの相対性理論を検証するためアフリカの小島で日食の観測を行った。
「重力は光の進路を曲げる」という理論である。
  日食のときにみられる大陽周辺の星の位置と、夜空に見る星の位置を比較して、太陽の重力が星からの光を曲げることを立証した。
また1868年のインドの日食では、フランスの科学者が未知の物質の発する波長を見つけだした。この物質はギリシャ神話にちなんで「ヘリウム」と名付けられた。
今回の日食では太陽の高温大気「コロナ」を観測する。コロナの明るさは太陽本体の100万分の1に過ぎないので皆既日食のときだけしか見えない。
太陽表面の温度6000度に対して、コロナは100万度以上の超高温である。 貴重な発見が期待される。
太陽活動は昨年から停滞を続けており、「小氷河期」の到来も注目されることである。
今世紀最大の皆既日食
2009.8.19
7月22日、日本の陸地で起こる46年ぶりの皆既日食である。 鹿児島県の南の島で6分以上に渡って太陽が月に覆われる。今世紀に世界中で起こる日食のなかで最も時間が長い貴重な現象である。

  月は1ヶ月で地球を一周するので太陽と地球の間をひと月に1回は通過する。しかし月の軌道が地球の公転面に対して傾いているため、月の影は普段は地球上には届かない。
 一方、月の軌道は1年に2度地球と太陽を結ぶ線と重なる時期があり、そのとき月が太陽を横切ると日食が起こる。そして1〜2年に1回、地球と月と太陽が一直線に並び月が太陽をぴったり覆うとき皆既日食となる
  ある場所で皆既日食が見られる確率は300〜400年に1回、このあと日本では2035年に北陸と北関東で見られる。東京の皆既日食は750年後の2762年である。

 今月22日の皆既日食は出現時間が今世紀中では最も長く、NASAによると6分39秒。 
この時間の長さは地球と月の距離によって決まる。距離が近いほど影が大きく時間が長くなる。月と地球の平均距離は38万4千400キロ、月の軌道が楕円のため距離の差は最大4万キロに及ぶ。 今回は、幸運にも月が地球に最も近い位置にあるため大きな影が長い日食をもたらしてくれる。
ちなみに46年前の北海道東部での皆既日食はわずか35秒であった。
 もう一つ、太陽を回る地球の軌道が楕円形であることも関係している。7月22日は太陽が地球から最も遠い遠日点(7月4日)を過ぎて間もないときであり、地球から見る太陽は小さくて月に隠れやすいからである。

 今回よりも長い皆既日食は、140年先、2132年の6分55秒(中米―大西洋)とされている。
       (7月16日 読売新聞より)
熱中症、屋内もご用心
2009.7.14
14日、関東甲信地方の梅雨明けが発表された。
ところで、梅雨明けといえば気になるのがおきまりの「熱中症」、
熱中症といえば、カンカン照りの炎天下をイメージしてしまうが、ことはそう簡単ではなかった。
熱中症の発生は、なんと炎天下の屋外よりも日の当たらない屋内の方が多いということがわかってきたのである。
 最近の調査から、熱中症の発生場所は、屋内43%、路上26%、グラウンド18%、屋外工事中14%。で、屋内が全体のほぼ半数に近い。また屋内発症のうち57%は60歳以上の高齢者が占めていた。
 
 熱中症は高温、多湿の気象条件のもとで体の中に熱がこもるために起こるものであり、発症の原因としては
1. 体温調節機能が低下している
2. 水分の補給が不十分である    
3. 熱中症に気づくのが遅れる
 等があげられる。対策としては
1. 水分と塩分を十分にとる (スポーツドリンクも有効)
2. エアコン、扇風機を上手に使う
3. 外出時は帽子、日傘を持つ
4. 汗をかく練習をする  
発汗によって体を冷やすよう、ウオーキングなどを
行なって発汗の機能を高める
強調されるのは、屋内での熱中症予防であり次のことが有効とされる。
温度計を見えるところにおいて目で温度を認識し、室温を30℃以下にする。
こまめに窓をあけて換気する
扇風機を窓の方に向けて回し外気との換気をよくする
直射日光を避け、西陽はよしずを使って防ぐ
1日1回は外出を心がけ、帰宅したら体を冷やして冷たい水を飲む
 
そのほかに重要な熱中症対策は、高温の自動車内に幼児を起きっぱなしにしないことである。
また、熱中症の患者数は女性よりも男性の方が多いことも注目してほしい。

 温暖化の今年の夏は、一人でも熱中症患者が少なくなるよう期待したい。
夏型過敏性肺炎
2009.6.18
日本列島は全国各地で梅雨入りが発表され、これからは、浴室・脱衣場などのじめじめしたところで汚れが目につく。カビである。これが肺炎を引き起こすというからご用心のほどを。
 カビに寄生する病原菌の名前は「トリコスポロン」。
感染すると、せき、だるさ、発熱があらわれ、風邪のときと同じような症状になる。「夏型過敏性肺炎」と呼ばれる。レントゲン画像では肺炎と同じように白く濁り、放っておくと肺の表面が厚くなって症状が悪化するので油断は禁物である。
 この病気、冬になると症状は陰をひそめ一見治ったように見える。だが、梅雨時の6月になるとぶり返して10月ごろまで症状がつづく。最悪の場合は死にいたることもあるという。 
 
予防する手っとり早い方法はカビを退治することである。
 このカビは、もっぱら脱衣場の床、浴室のタイル、冷蔵庫の中など湿気の強いところに繁殖しやすい。見つけたら・・・
 浴室:カビとり剤を吹き付けてスポンジで広げる。それをラップで覆い液の乾燥を防ぐ。30分〜1時間後にシャワーで洗い流す。タイルの目地にローソクを塗りカビの増殖を防ぐ。
 冷蔵庫:重曹でカビを吹き落とす。わさび、アルコールの水溶液も効果がある。
コーヒーかす、茶かすに浸して使うのもよい。
また、庫内にスノコを置きその下の隙間に新聞紙を筒状に丸めて入れると脱湿効果でカビを防ぐことができる。
 家屋:雨漏り、水漏れ、結露 がないように注意する。
 (以上はNHKの番組を参考にした)
<< 最初 < 前 13 14 15 16 17 次 > 最後 29 >>