特別コラム「昔の予報官」

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海水から砂、サンゴが住む
2008.11.25
 日本の最南端、沖の鳥島を波の浸食から守るため、砂地を自然に造成しようという、いわばマジカルな技術が検討されている。
 朝日新聞の記事によると、電極を海水に浸して電気を流すと、水中のカルシューム、マグネシュームのイオンが電極に集まる。その結果、炭酸カルシューム、水酸化マグネシュームなどの砂状の化合物ができる。鹿児島県与論島での実験では、通電5か月後にはサンゴが付着して生息が可能になった。2010年には沖ノ鳥島でもこの実験を行うという。
 沖の鳥島は、干潮時には周囲11kmのサンゴ環礁だが、満潮時には二つの小島が海面に頭を出すだけ。中国は沖ノ鳥島を「島ではなく岩だ」と主張する。国際海洋法条約では島の定義を「自然に形成された陸地で高潮時にも水面上にあるもの」となっている。「排他的経済水域」の観点からも重要な問題であり成功を祈りたい。
ヨーロッパの話題2つ
2008.10.22
◆氷河にシートをかける
 スイス南東部にあるディアボレッツア氷河が白いシートに覆われた。夏の日射しから氷河の溶けるのを防ぐためである。
 かつては山頂付近も氷河におおわれ、夏場でもスキー客でにぎわったが、この10年間に氷河の4割以上が姿を消した。
 シートをかける作業は、氷河の3分の1に当たる8千平方メートルをフェルト地のシートで覆った。経費は、シート代、巻き取り機械の費用、人件費などを合わせて630万円に上るという。 かつて賑わった夏スキー復活への願いがこもっている。
 このような動きはスイスのほか、ドイツ、オーストリアにも広がる。ドイツの最高峰3000メートルの山頂でも数年前から合成樹脂シートで氷河を覆う作業が始まっているという。
◆オランダ 水没の不安
 国土の3分の1が海抜ゼロメートル以下というオランダ。長年、運河や堤防を築いてきたが、海面の上昇が早まる傾向にあることから「洪水」に対する不安が強まっている。
  オランダのロッテルダム港入り口の川には両岸に長さ240メートルの堰がある。川の水位が3メートルを超えると両方から自動的に閉まって海水の侵入を防ぐ仕掛けである。堰は50年後の水位も計算に入れて設計されているというが。
 オランダは北海に面する西側に、アムステルダムなどの大都市が集中し、海面より低い地域の人口は全体の半分以上にもなる。温暖化による洪水対策のさらなる見直しは、国民への衝撃となるのではないか。

(以上 朝日新聞より)
太陽風 弱まる
2008.9.29
太陽から噴き出す太陽風(陽子などの流れ)が、90年代半ばに比べて、約2割弱くなっていることがわかった。
欧州宇宙機関(ESA)、米航空宇宙局(NASA)が、23日発表した。       
約50年前に観測を始めて以来の、最低の弱さだという。

太陽風が強いと地球ではオーロラが現れたり、通信障害が発生するなどさまざまの影響が出る。
反対に、太陽風が弱いと太陽系外から進入する放射線や宇宙線をブロックできないため、宇宙飛行士の被曝量が増えたり、衛星が故障する恐れがあるという。
また太陽風は雲の量にも影響するようであり、気候への影響も指摘されている。
今回なぜ太陽風が弱くなったのか、理由はよくわからないという。
  (朝日新聞より)


【太陽風とは】
太陽系の宇宙空間には「太陽風」という電離した粒子の風が常に吹いている。これは、太陽の上層大気(コロナ)が太陽の重力を振り切って流れ出したもので、その範囲は、最も外側の惑星「冥王星」の軌道より遙か外まで吹いているという。
風の速度は約400km/secにもなる(1秒で東京から大阪まで)
太陽面で爆発が起こると、太陽風の波が発生し4日後には地球に到達する。そして磁気嵐をおこして人工衛星の姿勢を狂わせたり、送電線に誘導電流を生じて電力供給に支障をもたらすなど、広い範囲に影響を及ぼす。

太陽活動の弱まりらしいもう一つの現象がある。
太陽の黒点は活動が盛んなほど数が多い。今年は9月に入って黒点が全く見られず、太陽活動の低下を示しているという。

太陽活動はこれまで11年周期で規則的に変動しており、今年1月以降は活動期に当たっている筈である。それが逆に活動低下しているのはなぜか、注目したい。
旬(しゅん)のはなし
2008.9.9
◆サカナに人気
 今年はサンマが豊漁で、物価高のなかでこれだけは安い。1匹60円。しかも身に脂が乗って美味しい。生きのいいところを刺身などいかが。
 北海道の秋サケも今年は大漁、活気に満ちているそうな。

◆りんご
 青森産のりんごも豊作。東京の大田市場では1キロあたり先週3,500円が、今週は2,900円と買いやすくなった由。

◆ハウスみかん
 7月からの全国的な猛暑のなか、グリーンハウスミカンのほのかな酸っぱさが涼をよぶ。「安くて美味しい」がうたい文句か。

◆大雪山系も早々と秋景色
 先日このコラムで、富士山の今年の初冠雪は平年より58日も早かったと書いた。北海道大雪山系でも今や早々と秋景色。モミジ、
ウラジロカエデ、チングルマなどの彩りが鮮やかという。平年より2週間ほど早い秋の訪れである。
富士山 初冠雪
2008.8.28
 富士山は8月9日に初冠雪があった。甲府地方気象台が27日発表した。
 観測開始(1894年)以降もっとも早く、これまでの早い記録8月12日(1914年)を94年ぶりに更新した。また平年より53日、昨年より58日も早かった。

 初冠雪とは、山頂の一日の平均気温が最高を記録したあと、初めて冠雪を観測した日をいう。冠雪は、気象台から目視によって確認し、山頂が白く見えるようになった状態をいう。

 初冠雪の平年日(30年平均)は、一番早いのが北海道大雪山系・旭岳の9月23日。次が富士山だが、見る位置によって差があり、河口湖は9月29日、甲府は10月2日が平年日となっている。
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