晴れや雨の天気が、ある特定の日にかぎってほかの日より高い確率で現れる日を「特異日」と呼ばれる。
たとえば、雨の降りやすい特異日は梅雨時の6月28日や、秋雨の9月15日。そして不思議なのは台風の9月17日と26日。東京の晴れの日は、誰もが知る10月10日と11月3日である。
「特異日」なるものを初めて提唱したのはドイツの気象学者シュマウスである。1930年代、特定の日に高い確率で同じ天気が現れることに気づいて、[singularity]と名付けた。
日本でも古くから「寒の戻り」「八十八夜の別れ霜」「二百十日」など同じような考え方が受け継がれて来た(朝日新聞)。
しかし、近年はヒマラヤ山脈の氷河が融解したり、この8月には北極海北西部の海氷がこれまでもっとも急速に減少するなどはげしい温暖化現象が頻発している。従来なじみのある特異日や、「二十四節気」の季節感にも大きな変化があらわれるのではないか。
現在の、特異日(全国的)をいくつかあげてみよう。
(%は東京管区気象台1967〜96年の統計)
晴れやすい日
4月5日 73% 5月13日 50% 8月10日 53%
10月10日 60% 10月23日 80% 11月3日 80%
雨の降りやすい日
6月28日 47%
寒の戻りの起こりやすい日
4月6日・23日