特別コラム「昔の予報官」

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ご飯で花粉症を治す
2013.4.10
森川 達夫(株式会社ウエザーミロ代表・気象予報士)
花粉症とは、花粉が体内に入り続けると、アレルギー反応につながる物質(抗体)が増え、免疫反応が過剰に反応して、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状があらわれる。3〜5人に1人が悩んでいるという。花粉は、スギ、ヒノキのほか、ブタクサ、ヨモギ、ハンノキ などの花粉も原因になることがあるらしい。
一方、花粉症に効果があるとされるコメの研究が進んでいる。
スギ花粉のタンパク質を人工的に取り込んだ「遺伝子組み換え米」である。これを食べ続けると体がアレルギーに慣れるという「世界初」の試み。農水省が2020年までに商品化を目指している。
「花粉症治療米」は、茶碗一杯分を1日1回食べるだけ半年後には効果が出る、「根本療法」だという。農水省は、この「治療米」を医薬品として売りたいが、薬事法により人への臨床実験と、新薬としての認可が必要。
対して、現在の治療法は、ヒスタミンの働きを止める「対症療法」が主流で、治るまでには2〜3年はかかるという。 
PM2.5
2013.3.13
森川 達夫(株式会社ウエザーミロ代表・気象予報士)
いまや大気汚染の最悪玉となった「PM2.5」。これから黄砂の季節に向かって影響が懸念される。
 「PM2.5」は、Particulate Matter、直径2.5マイクロメートル以下で、ヒトの髪の毛の40分の1以下という粒子状物質。吸い込むと肺の奥や血管に達して、肺炎、ぜんそく、心臓疾患を引き起こし、死亡リスクも増えるという。
北京では、咳き込む子供が急増し、1954年以降最悪の大気汚染となっている。まったく想定していなかった事態で、北京、上海、広州ではPM2.5により8500人が早死にしていると報じられている。

大気汚染の原因は何か? まず暖房の石炭、この冬は強い寒波のため、フィルターのないストーブで大量の石炭が使われた。つぎは大型自動車の排ガス、北京市内の自動車は520万台にのぼる。郊外に移転した工場のばい煙も、北京の盆地にたまる。中国におけるガソリンの硫黄分規制は日本や欧州の15倍もゆるやかという。

汚染は東シナ海を隔てて日本にも飛来が予想され、長崎県や福岡市では観測点を増設して監視や予測に乗り出した。個人の対策としては、防塵マスクやうがい、洗濯物の外干しなどに注意したい。
ロシアの隕石落下
2013.2.22
森川 達夫(株式会社ウエザーミロ代表・気象予報士)
2月16日、日本時間午後0時50分ごろ、光の点が尾を引きながらロシア・ウラル地方の空に飛来して上空で爆発、辺りをまぶしく照らした。その後、白い軌跡を残して落下した。
この爆発により、チエリアビンスク州では建物被害4700棟、けが人1200人が発生したと報じられた。落下地点は、近郷にある直径8メートルの湖と見られている。

 NASAによれば、飛来したのは、金星と火星の間の小惑星帯から飛び出した、直径17メートル、重さ1万トン(東京タワーの2.5倍の重さ)の小惑星で、音速の50倍、秒速18キロで大気圏に突入したという。s
お風呂に上手に入る
2013.2.4
森川 達夫(株式会社ウエザーミロ代表・気象予報士)
誰でも知っているけど、もう一度、上手な入浴の方法をおさらいしよう
 その方面の権威によれば
 1.かぶり湯:いきなりドボンと入らず、かぶり湯をする。熱いお湯をいきなりかぶると血圧が50くらいも上がる。
  かぶるのは、足元からひざ、腰と徐々にあげてゆく。
 2.半身浴から
  半身浴からはじめる。おへそからこぶし1つ上に水面がくるくらい
  できれば浴槽の縁をまくらにして、手足を伸ばしゆっくりと
 3.ストレッチ
  入浴中、肩を前後に回す、両膝を左右を交互にゆっくりと倒すなど
 4.入浴の時間帯
  食後30分〜1時間は入浴しない。直後に入ると消化不良を起こすから
 5.水分の補給
  1回の入浴で約80ミリリットルの水分が失われるので、コップ半分くらいの水分を補給する    

太陽の光
2013.1.16
森川 達夫(株式会社ウエザーミロ代表・気象予報士)
太陽は、寿命が100億年、現在の年齢は46億歳である。「燃えている」のではなく、「核融合」によって熱や光を発している。
 太陽はおもに水素で出来たガスの塊、表面の温度は6000度、中心部は1600万度の超高温で、その高温によって核融合反応が起きている。
 水素原子核がへリウム原子核に融合するのが「核融合」で、この反応の際に太陽の光やエネルギーが放出される。
 水素が全部ヘリウムに変わったら、次はヘリウムが核融合反応を起こし、最終的には炭素と酸素になる。その後は極端に膨張して燃え尽き、次第に冷えて暗い星になるという。(国立天文台 常田佐久教授)

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