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2004年1月7日更新
【2003年の天候の特徴】

1月から3月頃までは気温の変動が大きかった。4月から6月頃まではほぼ全国的に高温傾向が続いた。7月、8月は南西諸島で高温だったほかは、オホーツク海高気圧や梅雨前線の影響を受け、北日本を中心として顕著な低温となった。北、東、西日本の夏(6〜8月)の平均気温は平成5年以来の低さであった。また、夏期間の日照時間の3か月合計も東北、東日本、西日本でかなり少なく、稲作を初め多くの農作物に被害が出た。9月以降は再び気温の変動が大きくなった。9月、11月は東日本以西を中心に高温となり、特に11月は記録的な高温となった。

年平均気温は西ほど高温傾向が顕著で、西日本では7年連続、南西諸島では6年連続で高かった。一方、北日本、東日本では平年並だった。東日本は昨年まで6年連続で高温であり、平年並は7年ぶりである。


平均気温

北海道・東北の太平洋側の一部で平年を下回ったが、そのほかの地域では平年を上回った。特に九州、南西諸島では平年を0.5℃から1.0℃上回った。


降水量

関 東以西の太平洋側の一部で平年の120 %を超えたところがあった。厳原(長崎県)では3041.0mm (平年比143 %)となり、年降水量の最大値を更新した。一方、南西諸島、北海道では平年を下回った。西表島(沖縄)では1328.5mm (平年比57 %)となり、年降水量の最小値を更新した。


日照時間

南西諸島、北海道の一部を除いて平年を下回ったところが多かった。特に東北の太平洋側、北陸、近畿・中国の日本海側などで平年の90 %以下となった。八丈島では1145.4 時間(平年比76 %)となって、年間日照時間の最小値を更新した。




【季節別の天候経過】
冬(2002年12月〜2003年2月)

冬前半は北日本を中心に強い寒気が入ることが多く、12 月の月平均気温は北日本と東日本で低温となり、1 月上旬にも強い寒気が入って全国的に低温となった。1 月中旬以降は、強い寒気が南下することは少なく、2 月には顕著な高温となる時期もあって、東日本以西では2 月平均気温は高くなった。また、冬型の気圧配置が強まる時期と、冬型の気圧配置が弱まって高気圧に覆われたり低気圧の影響を受ける時期が交互に現れ、気温は1 〜2 週間程度の周期で大きく変動した。
日本海側の降雪量は、12 月は北・東日本で多かったが、1 月以降は全般に平年並か少なかった。また、東・西日本の太平洋側では、低気圧の影響を受けることが多く、曇りや雨または雪の日が多かった。

平均気温は北日本で低く、東・西日本で平年並、南西諸島で高かった。降水量は北・東日本の日本海側で少なく、東日本の太平洋側と西日本で多く、北日本の太平洋側と南西諸島で平年並だった。日照時間は北日本と南西諸島で多く、東日本の太平洋側と西日本で少なく、東日本の日本海側で平年並だった。


春(3〜5月)

春前半の3 月から4 月上旬にかけては、冬型の気圧配置となって気温の低い時期があったものの、その後は日本海を通過する低気圧に吹き込む南風等により気温の高い日が多くなった。このため、気温は3月は全国的に平年並だったが、4月、5月ともに全国で高温となった。

また、4月は低気圧や前線の影響を受け、ほぼ全国的に曇りの日が多く、月間日照時間の少ない記録を更新したところがあり、5月も東・西日本の太平洋側では中旬以降に低気圧や前線および東よりの気流の影響で曇りの日が多かったため、春の日照時間は東日本と西日本で少なかった。春の降水量は、4月から5月にかけ低気圧や前線の影響を受けた西日本で多かったが、北日本と南西諸島で少なく、特に南西諸島は3 か月連続で少雨となった。

気温は3月は全国的に平年並だったが、4月、5月ともに全国で高温となり、平均気温は全国的に高かった。降水量は北日本と南西諸島で少なく、東日本で平年並、西日本では多かった。特に、南西諸島では3か月連続の少雨となった。日照時間は北日本の日本海側で多く、東日本と西日本で少なかったほかは、平年並だった。


夏(6〜8月)

6 月は南風が入ることが多く、北・東日本で高温となった。中旬以降、梅雨前線が本州付近に停滞したために東・西日本では寡照となり、逆に、北海道では高気圧に覆われて晴れる日が多かった。6 月下旬後半からオホーツク海高気圧が優勢となり、また、太平洋高気圧の北への張り出しが弱かったため、梅雨前線が本州上や南岸に停滞し、北日本〜西日本で顕著な低温・寡照となった。 7 月下旬終わりから、太平洋高気圧が次第に強まり、東・西日本まで覆う時期があったが、夏型の気圧配置が安定せず、特に8 月中旬には前線が本州付近まで南下・停滞し、東・西日本を中心に顕著な低温・多雨・寡照となった。北日本は引き続き低温・寡照の状態が続いた。一方、南西諸島では、7 月から8 月にかけて、太平洋高気圧に覆われ、晴れて暑い日が続いた。

沖縄地方は5 月15 日頃、奄美地方は5 月13 日頃梅雨入りした。九州から本州にかけては、6 月10 日前後にほぼ一斉に梅雨入りした。沖縄地方は6 月20日頃、奄美地方は6 月27 日頃梅雨明けした。これらの地方では梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われて、8 月上旬に台風第10 号が接近するまで殆ど雨が降らなかった。本州付近は強いオホーツク海高気圧の影響が長期間に及び、西日本以北の梅雨明けは平年よりかなり遅れ、九州南部が7 月22 日頃、その他の地方は7 月終わりから8 月初めとなった。また、東北南部と東北北部の梅雨明けは特定しなかった。関東甲信地方では梅雨期間が平年より10 日ほど長いが、同時期の平年の降水量と比較すると梅雨期間の総降水量は平年より少なかった。一方、西日本では梅雨期間の総降水量が平年を大きく上回った所が多く、これは7 月下旬の九州地方を中心とした大雨によるものであった。

平均気温は北〜西日本で低く、北日本ではかなり低かった。南西諸島で高かった。降水量は東日本の太平洋側と西日本で多く、南西諸島で少なく、北日本と東日本の日本海側で平年並だった。日照時間は北日本の太平洋側と東・西日本でかなり少なく、北日本の日本海側でも少なかった。南西諸島で多かった。


秋(9〜11月)

9 月と11 月は南の高気圧の勢力が強く、9 月は前半を中心に厳しい残暑となり東・西日本、南西諸島では晴れの日が続いた。北日本では平年に比べ北上した前線や低気圧により曇りや雨の日が多かった。11 月も南の高気圧が強く極端な高温となったが、高気圧が前線帯を平年に比べ押し上げ本州付近に停滞したため、北日本を除いてほぼ全国的に曇りや雨の日が多かった。一方、10 月は南 の高気圧の勢力が弱く周期的に寒気の南下があったため、天気も周期的に変わり気温の変動が大きかった。

平均気温は北日本では平年並、東日本は高く、西日本、南西諸島ではかなり高かった。降水量は北日本、東日本の日本海側、西日本の日本海側で少なく、東日本の太平洋側では多かった。西日本の太平洋側、南西諸島は平年並だった。日照時間は東日本の日本海側、西日本で多く、その他は平年並だった。




黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)




平均気温の平年差の経過(5日移動平均)




記録を更新した地点
年降水量の多い記録

降水量 平年比 これまでの最大
厳原 3041.0mm 143% 2849.5mm(1999)

年降水量の少ない記録

降水量 平年比 これまでの最小
西表島 1328.5mm 57% 1393.5mm(1993)

年日照時間の少ない記録

日照時間 平年比 これまでの最小
八丈島 1145.4h 76% 1149.0h(1910)




資料提供:気象庁
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