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さくら2008
2008年6月3日更新
【2008年のさくらの開花・満開日】
ソメイヨシノは3月22日に東京、静岡、名古屋、熊本で開花し、3月26日に大阪で開花。その後、5月16日の根室(チシマザクラ)まで約2カ月間にわたり観測された。九州と四国の一部を除いてほとんどの地点で平年より早い開花となり、関東以北では平年より7日〜10日以上早く開花したところが多かった。
    →昨年の開花・満開日は 「さくら2007」



さくらの開花・満開日の観測はソメイヨシノを観測対象とし、各気象台が定めた標本木で行っている。 ソメイヨシノが分布していない北海道地方では一部を除きエゾヤマザクラ、チシマザクラを対象としている。 「開花」とは花が数輪以上開いた状態のことで、「満開」とは約80%の花が開花した状態のことである。


北海道
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
稚内* 5/2
-14 5/5 -14
旭川* 4/23
-14 4/26 -13
留萌* 4/29
-12 5/1 -13
札幌 4/21
-14 4/25 -13
岩見沢* --
-- -- --
倶知安 --
-- -- --
紋別* --
-- -- --
網走* 5/3
-10 5/5 -10
根室@ 5/16
-4 5/22 -3
釧路* 5/15
-3 5/19 -3
帯広* 4/26
-11 4/30 -9
室蘭 4/25
-13 5/2 -10
浦河* 5/4
-7 5/6 -8
函館 4/22
-11 4/26 -11
江差 --
-- -- --

東北
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
青森 4/17
-9 4/21 -10
八戸 --
-- -- --
秋田 4/10
-9 4/15 -9
盛岡 4/12
-11 4/17 -10
宮古 --
-- -- --
仙台 4/5
-7 4/11 -7
酒田 4/9
-7 4/13 -7
山形 4/12
-5 4/16 -5
福島 4/6
-5 4/11 -4
小名浜 3/30
-9 4/5 -9

北陸
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
相川 --
-- -- --
新潟 4/5
-6 4/9 -7
高田 --
-- -- --
富山 4/2
-6 4/6 -6
輪島 4/6
-5 4/11 -4
金沢 4/2
-4 4/6 -5
福井 4/2
-3 4/6 -4
敦賀 --
-- -- --

関東・甲信
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
水戸 3/27
-8 4/3 -7
宇都宮 3/28
-6 4/3 -7
前橋 3/26
-6 3/31 -8
熊谷 3/25
-6 3/29 -10
東京 3/22
-6 3/27 -9
銚子 3/25
-7 4/2 -7
館山 --
-- -- --
横浜 3/23
-5 3/29 -7
大島 3/24
-6 3/31 -6
三宅島 --
-- -- --
八丈島 3/30
-3 4/7 -3
長野 4/10
-4 4/16 -3
松本 --
-- -- --
飯田 --
-- -- --
甲府 3/24
-5 3/28 -7

東海
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
静岡 3/22
-6 3/27 -9
浜松 --
-- -- --
名古屋 3/22
-6 3/29 -7
高山 --
-- -- --
岐阜 3/23
-6 3/29 -7
3/27
-5 4/1 -6
尾鷲 --
-- -- --

近畿
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
彦根 3/30
-5 4/6 -4
舞鶴 4/2
-2 4/7 -2
京都 3/24
-7 4/1 -6
大阪 3/26
-4 4/2 -4
豊岡 --
-- -- --
神戸 3/26
-4 4/3 -3
洲本 --
-- -- --
奈良 3/26
-6 4/3 -3
和歌山 3/24
-4 4/2 -2
潮岬 3/24
-4 4/2 -4

中国
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
岡山 3/26
-5 4/4 -3
広島 3/25
-4 4/2 -3
西郷 4/3
-2 4/8 -3
松江 4/1
-2 4/6 -3
浜田 --
-- -- --
米子 3/31
-3 4/5 -3
鳥取 3/29
-4 4/4 -4
下関 3/26
-3 4/4 -3

四国
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
徳島 3/25
-4 4/3 -3
高松 3/25
-5 4/3 -3
松山 3/25
-3 4/4 -1
宇和島 --
-- -- --
高知 3/24
+1 3/28 -4

九州
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
福岡 3/24
-2 4/2 -1
大分 3/24
-3 4/4 -1
厳原 3/27
-1 4/2 -2
長崎 3/24
-1 4/6 +3
福江 3/31
+3 4/8 +4
佐賀 3/24
-2 4/2 -1
熊本 3/22
-2 4/1 -1
宮崎 3/26
+1 4/6 +3
鹿児島 3/28
+2 4/12 +9
種子島 --
-- -- --
2007年のサクラの開花・満開日
・官署名に付した「*」はエゾヤマザクラ、「@」はチシマザクラを観測対象としている。印のないものは全てソメイヨシノを観測。
・開花(満開)日欄の「--」は、観測値がないことを示す。
・平年差の数値に付した「−」は平年より早い、「+」は平年より遅いことを示す。平年差欄の「--」は平年値がないことを示す。

さくらの開花・満開日の平年差階級区分
さくらの開花を平年値(1971年〜2000年の30年間の累年平均値)と比べる場合、「平年並」は平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早く、「かなり早い」は7日以上早いことを示す。
階級 平年との比較
かなり早い 7日以上早い
早い 平年値より3日以上早い
平年並み 平年値との差が2日以内
遅い 平年値より3日以上遅い
かなり遅い 7日以上遅い


さくらは夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成し、秋に休眠(成長が止まる)に入る。休眠に入った花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚め(休眠打破)、気温の上昇と共に成長を始め開花する。
休眠打破が不十分な場合は、開花が遅れたり不揃いになったりすることがある。



→ 気温の経過についての詳細は天候のまとめを参照


【2008年のさくら解説】〜 今年のさくらは「北早西並」 〜

◆開花
 3月は沖縄・奄美を除いて全国的に気温が高くなった。特に、北日本では平年を2.3℃、東日本では1.7℃上回り、いずれも3月としては観測史上2番目の高温となった。また、移動性高気圧に覆われる日が多く、日照時間も全国的にかなり多くなった。

 そのため、今年のさくら前線は3月22日、東京、名古屋、静岡、熊本からスタート。いずれも平年より6日早い開花となり、東京が全国に先駆けるのは2年連続となった。12月〜1月の高温で休眠打破が遅れた九州や四国では平年より3日〜4日早い程度で、鹿児島は3月28日、東京から遅れること6日後に開花した。関東では平年より一週間くらい早い開花となった。

 3月30日、福島県の小名浜で平年より9日早く開花、4月2日には福井、金沢、富山、で開花し、さくら前線は北に行くにつれてだんだん早くなった。4月16日は青森県の弘前公園で観測史上5番目に早く開花し、5月5日までのさくらまつり期間中の人出は216万人と連休前半の好天に恵まれて6年連続で200万人を超えた。

 さくら前線は足早に津軽海峡を横断し、4月21日、札幌で平年より2週間早く開花した。札幌では2002年4月22日を抜く、1951年観測開始以来最も早い開花となった。北日本の開花は平年より10日〜2週間早いものとなり、各地で記録を塗りかえた(開花の記録参照)。しかし、さくら前線の終盤は旭川や網走でみぞれや雪となるなど(5月9日)、次第に足踏み状態となり、5月16日の根室で終わりを迎えた。

開花の記録
月日地点名観測史上早い方
4月10日長野、秋田3位
4月12日盛岡2位
4月16日弘前5位
4月17日青森5位
4月21日札幌1位
4月22日函館2位
4月23日旭川1位
4月25日室蘭2位
4月26日帯広3位
4月29日留萌3位
5月2日稚内2位
5月3日網走3位

◆満開
 開花が早かったため、満開も全国的に平年を大幅に上回る早さとなった。東日本では平年より一週間〜10日、北日本は一週間〜2週間程度早くなった。3月27日、全国に先駆けて東京と静岡でさくらが満開となった。いずれも平年より9日早く、静岡は観測史上2番目タイ、東京は観測史上3番目の記録だった。東京は開花から満開まで5日間と短かった。 一方、九州南部は平年より遅くなり、鹿児島は開花から満開まで15日かかった。

◆入学式にさくら満開は過去のもの?
 東京のさくらの満開日は平年で4月5日、ちょうど入学式の頃にあたる。しかし、2000年以降、入学式の頃にさくらが満開となったのは2000年と2005年の2回のみ。記録的な早咲きとなった2002年は彼岸の3月21日に満開となった。最近、さくらの見ごろが早まっているのは偶然なのか、それとも気候の変化によるものか、1960年以降の49年間のデータを使って調べてみた。

 下記のグラフは、東京のおけるさくらの満開日を平年差でみたものである。平年を中心に、平年より遅い場合はプラス、平年より早い場合をマイナスで示した。



 グラフをみると、1990年以降、満開日が早まっているように思える。平均値の差の有意性検定を使って、1990年を境に平均値が変化したのかどうか調べてみた。

 結果は、5%で統計的に有意な差があると認められた。つまり、1990年以降、東京のさくらの満開日が早まっていることは偶然ではなく、気候の変化によるもの(統計的に意味のある)と言える。

 「平均値の差の検定と分散比の検定」の詳細については下記を参照していただきたい。



 上記のグラフは、東京におけるサクラの満開日を平年と比べたものである。
 1960年〜2008年までの49年間で、1990年を境に平均値が変化したと見られる。この変化が気候データのゆらぎによる偶然なのか、それとも気候の変化によるものなのかの判断を平均値の差の有意性検定で行う。
 ここでは、1960年〜1989年のn=30年間と、1990年〜2008年のm=19年間でそれぞれの満開日平年比の平均に有意な差があるのか、検定を行った。


◆ 2標本の分散の比の検定
2標本の分散が有意に異なっているかを検定する。

1960〜1989: 平均=1.633 分散=18.171
1990〜2008: 平均=−4.210 分散=23.619 
   分散比の統計量=0.753

(片側)有意水準0.05の自由度(29,18)のF分布値は、
   F分布値(29,18)=2.11
であり、分散比の統計量はF分布値より小さいので、2標本の分散は片側5%で統計的に有意に異なっていないと分かった。

◆ 分散が等しいと仮定した2つの平均値の差の検定
それぞれの期間の平均と分散を求めると、

1960〜1989: 平均=1.633 分散=18.171
1990〜2008: 平均=−4.210 分散=23.619

これを用いて検定量Zを求めると、
   検定量Z=4.208
となる。

(両側)有意水準0.05の自由度m+n−2=47のt分布の値(t値)は、
   t0.05(47)=2.013

したがって、検定量の絶対値はt分布値より大きいので、両側5%で統計的有意な差があると判定される。

◎ 分散とは
それぞれのデータが平均値からどれだけ離れているのか、散らばり具合を見る目安。

◎ 分散のF検定
データの変動の大きさはその期間の資料の標本分散で表されるが、それが他の期間の標本分散と異なる(偶然とは考えられないほど大きく異なる)ことを示したいときに使われる検定である。

【参考文献】
高橋俊二,2007:気候データの統計解析.平成19年度季節予報研修テキスト日本の天候に影響を与える循環場の特徴,気象庁・気候情報課,72−94.


片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)
資料提供:気象庁

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