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2008年10月10日更新
片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)

〜 6月:梅雨活発 7月:早い梅雨明け、猛暑 8月:天候不順、雷雨多発 〜

【2008年の夏(6〜8月)の地域平均平年差】
地域
平均気温(平年差) 降水量(平年比) 日照時間(平年比)
北日本 0.0℃ 98% 93%
東日本 0.5℃ 98% 100%
西日本 0.6℃ 82% 98%
沖縄・奄美 0.6℃ 69% 102%


【気温】
2008年夏(6〜8月)の平均気温は、北日本で平年並みだったほかは、全国的に平年を0.5℃〜0.6℃上回った。特に、西日本では7月の平均気温が観測史上3番目の高温となるなど、梅雨明けが早まったことと、太平洋高気圧が西日本を中心に強かったことが影響した。
一方、北日本では6月と8月の後半にオホーツク海高気圧の影響を受け、気温の変動が大きかった。特に、8月中旬以降は平年を大幅に下回る低温となった。


東京 2008年夏の猛暑日、真夏日、熱帯夜の日数

猛暑日 真夏日 熱帯夜
6月 0 0 0
7月 0 23 10
8月 1 20 13
合計 1 43 23


東京 2008年6〜8月の平均気温と平年差

平均気温 平年差
6月 21.3℃ -0.5℃
7月 27.0℃ 1.6℃
8月 26.8℃ -0.3℃
夏平均 25.0℃ 0.2℃

この夏の東京の平均気温は25.0℃と平年並みとなったが、月ごとにみると変動の大きい夏であったことが分かる。6月はオホーツク海高気圧がしばしば出現し梅雨寒の日が多く、8月後半は寒気とオホーツク海高気圧の影響で低温が顕著であった。8月の平均気温が平年を下回ったのは2003年以来5年ぶりのことである。
東京の真夏日は7月12日〜8月9日まで29日連続となり、観測史上6番目の長さとなった。真夏日は7月の方が多かった。また、8月8日(北京オリンピック開会式)は東京で35.3℃の猛暑日となった。


【降水量】
2008年夏の降水量は北日本と東日本で平年並み、西日本と沖縄・奄美で平年より少なかった。特に、沖縄・奄美は空梅雨に加えて、台風の接近や通過がなかったため、降水量は平年の7割にとどまった。また、四国や中国でも梅雨から雨が少なく、愛媛県今治市では8月24日〜26日、大規模な山火事となった。高知県の早明浦ダムでは貯水率が0%となり、3年ぶりに発電用水を水道用水に転用する緊急放水を行った。




【全国の雷日数】
2008年夏は全国的に雷雨が多く、雷日数が平年を上回ったのは39道府県に上った。東日本と西日本の日本海側では平年の1.5倍以上となり、東京では平年の2.7倍と観測史上最も多くなった。
各地で雷雨による被害が相次いだ。7月27日には福井県敦賀市で発達した積乱雲によりガストフロントが発生、イベント会場のテントが吹き飛び男性1人が死亡した。翌日の28日は神戸市灘区を流れる都香川が増水し、水辺で遊んでいた子どもや大人10人が濁流に流される事故があった。また、8月5日は東京都心で激しい雷雨となり、下水道工事作業中の作業員が急激に増水した下水道に流される事故が起きた。





【平成20年8月末豪雨】
2008年6月11日9時 地上天気図と雲画像

日本の南には上空の寒冷渦があって、湿った空気が次々と東海、関東に流れ込んだ。日本海から前線が南下してきた28日午後から29日朝にかけては愛知県や東京都、神奈川県で局地的な豪雨となり、浸水や土砂災害が相次いだ。



愛知県岡崎市では29日2時までの1時間に日本歴代7位となる146.5ミリの猛烈な雨が降った。また、東京の町田市では29日3時までの1時間に約110ミリの雨が観測されるなど、記録的短時間大雨情報は東海や関東を中心に16都県に出された。愛知県内の集中豪雨は2000年9月の東海豪雨以来のこと。

愛知県岡崎市では市内の8河川が氾濫し、全世帯に避難勧告が出された。同市伊賀町では床上浸水した民家で女性1人が死亡、また行方不明だった女性が南知多町の間賀島で遺体で発見された。
東京都八王子市では裏のがけが崩れ、住宅1棟が倒壊した。また、京王線は高尾−高尾山口で普通列車が土砂に乗り上げ脱線した。
避難勧告は東京都八王子市、神奈川県相模原市、愛知県名古屋市・岡崎市・一宮市・知立市・幸田町のあわせて約51万世帯に出された。

気象庁は8月26日〜31日に発生した豪雨を「平成20年8月末豪雨」と命名した。豪雨による命名は「平成18年7月豪雨」以来2年ぶりのこと。



【2008年の夏(6〜8月)の特徴】
気象庁報道発表資料

6月は梅雨前線が日本列島南岸に停滞したため、東日本と西日本では、曇りや雨の日が多く、北日本では高気圧に覆われて、晴れの日が多かった。
7月から8月前半にかけて、東日本と西日本では高気圧に覆われ、晴れて暑い日が多く、7月後半から8月前半はときどき大気の状態が不安定となり、局地的な大雨となった。北日本では、低気圧や前線の影響で曇りや雨の日が多かった。
8月後半には、日本付近に寒気が南下し、また、低気圧や前線の影響で、北日本から西日本にかけての各地で大雨となった。7月の高温、8月後半の低温と気温の変動が大きかった。
沖縄・奄美では、梅雨明け後は高気圧に覆われ、熱帯低気圧の影響も小さかったため、気温が高く、降水量は少なかった。
台風の発生は7 個(平年11.2 個)、日本に接近した台風4 個(平年6.2 個)、うち本土(本州、北海道、九州、四国)への接近は1 個(平年3.1 個)、沖縄・奄美への接近は2 個(平年4.4 個)とそれぞれ平年を下回った(速報値)。



平均気温

夏の平均気温は、東日本、西日本、沖縄・奄美で高かった。北日本では平年並だった。


降水量

夏の降水量は北日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。久米島(沖縄県)では、夏の降水量の最小値を更新した。北日本太平洋側、東日本、西日本日本海側では平年並だった。


日照時間

夏の日照時間は、北日本太平洋側で少なかったほかは、全国的に平年並だった。



記録を更新した地点
3か月間降水量の少ない記録

降水量 平年値
久米島 247.0mm 591.2mm

夏の猛暑日の多い記録

日数 平年値
網代 7 0.4
大分 11 2.2
枕崎 1 0.0
松山 11 1.2

夏の日最低気温25℃以上の日の多い記録

日数 平年値
浜田 20 5.7
大分 28 6.8
熊本 37 15.4
福江 28 13.8
高松 41 11.6

※猛暑日とは日最高気温35℃以上の日です。



黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)



平均気温の平年差の経過(5日移動平均)

日最大1時間降水量が観測史上1位を更新した地点
観測所名 最大1時間降水量 これまでの1位
上椎葉 62.5mm (6/11) 60mm
嬉野 83.5mm (6/19) 72mm
川内(せんだい) 75.5mm (6/21) 71mm
溝辺 81.5mm (6/21) 81mm
日和佐 96.0mm (6/29) 92mm
安芸 83.0mm (6/29) 74mm
宮地 88.0mm (7/3) 59mm
富士 112.5mm (7/4) 88mm
川根本町 83.5mm (7/4) 79mm
笠岡 46.5mm (7/5) 36mm
山形 62.5mm (7/7) 60mm
関山 46.5mm (7/8) 43mm
南砺高宮 62.0mm (7/8) 54mm
三木 59.0mm (7/8) 57mm
佐治 67.0mm (7/13) 51mm
虎姫 50.5mm (7/18) 49mm
田島 53.5mm (7/23) 51mm
上士幌 43.5mm (7/24) 37mm
館林 84.0mm (7/25) 71mm
猪谷 52.5mm (7/27) 49mm
大正寺 52.5mm (7/28) 49mm
米里 52.0mm (7/28) 46mm
氷見 68.5mm (7/28) 51mm
越廼 67.5mm (7/28) 50mm
峰山 81.0mm (7/28) 47mm
宮津 71.0mm (7/28) 52mm
三田 57.0mm (7/28) 54mm
岩井 48.0mm (7/29) 48mm
大月 79.0mm (8/4) 55mm
白山白峰 53.0mm (8/4) 48mm
観測所名 最大1時間降水量 これまでの1位
みなかみ 56.0mm (8/5) 51mm
都城 76.5mm (8/5) 73.5mm
枚方 71.5mm (8/6) 68mm
三入 62.0mm (8/14) 60mm
狩川 67.5mm (8/15) 63mm
大山 62.5mm (8/15) 53mm
49.0mm (8/19) 45mm
加世田 77.0mm (8/20) 68mm
須佐 60.0mm (8/27) 55mm
門井 57.5mm (8/28) 53mm
久喜 77.0mm (8/28) 62mm
一宮 120.0mm (8/28) 76mm
六厩 73.0mm (8/28) 54mm
勝山 58.5mm (8/28) 50mm
大野 64.5mm (8/28) 50mm
鹿島 37.0mm (8/29) 36mm
奥中山 37.0mm (8/29) 33mm
丸森 69.0mm (8/29) 58mm
川内(かわうち) 64.5mm (8/29) 54mm
川前 63.0mm (8/29) 63mm
八王子 63.0mm (8/29) 62mm
府中 58.5mm (8/29) 56mm
岡崎 146.5mm (8/29) 55mm
蒲郡 71.5mm (8/29) 67mm
河内 88.5mm (8/29) 59mm
福山 93.0mm (8/29) 73.3mm
西条 69.0mm (8/29) 55mm
男鹿真山 56.5mm (8/30) 48mm
我孫子 105.0mm (8/30) 73mm



【大気の流れの特徴】 500hPa天気図


極東域では、東シベリアからアリューシャン列島で正偏差、その南側の日本の東海上を中心に負偏差となり、北日本を中心に寒気が南下した。また、西日本を中心に正偏差となり、高気圧に覆われ、東日本、西日本、沖縄・奄美で高温となった。



2008年6〜8 月の500hPa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域

資料提供:気象庁

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