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2006年1月31日更新





『登山者のための最新気象学』

著者・飯田睦治郎
発行所・株式会社 山と渓谷社
初版・1999年11月15日(版元品切れ)
(C)Mutsujiro IIDA 1999
ISBN 4-635-21002-2
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【本文より引用】
「天気図上に書かれていない前線」P60〜
「…天気図上で見る限り移動性高気圧に覆われ、好天が数日続くように思われるだろうが、実際にはちょっとした帯状の雲が本州にかかっただけで、平野部では取るにたらない雲だが、山岳部では半日か一日ぐらい悪天になっている。上層の不連続線や冬の寒波の中に、この型の前線が多く、要注意である。」

「移動性高気圧」P137〜
「…この雲は「蝶々雲」といわれている雲で、登山者が移動性高気圧の真ん中に入ったときに見られる。そのため、ここで述べることにしたが、この雲は他の雲と違って、地球上どこにでも姿を見せるという雲ではなく、赤道地帯や極地方ではほとんど姿を見せない。(中略)蝶々雲が現れたときはあまり長時間にわたる尾根歩きは避けたい。というのは昔から「蝶々雲が現れると雨」とことわざにあるように、雨の兆しとして知られてきた雲だからである。
なぜ悪天の前兆とされているかというと…」


予報士試験ブームに乗って、気象関連の書籍は近年多数出版されています。ただ、残念な事に、マニア向けの本はほとんどないのが現状です。登山をする人なら多少の天気の知識は持っているわけですし、私のように山好きが高じて気象予報士になった人間も少なくありません。そんな人でも満足できる(勉強になる)のがこの本なのです。

山の天気というと、「経験と観天望気」というイメージがあるかもしれませんが、ただの経験に、科学的な裏付けを与えてくれるのがこの本なのです。最近は熟年登山が流行っていると聞きますが、山行前には地図を見るような感覚で、山行後は写真を見ながら読んでみるのも面白いかもしれません。

筆者の飯田睦治郎氏は、あとがきの冒頭で、「故山本三郎君が執筆され、ベストセラーが続いた『登山者のための気象学』が絶版になって久しい。」と書いています。私も古書店でこの本(山本三郎『登山者のための気象学』)を求めて読んでみましたが、本書は図も豊富でわかりやすくなっており、氏自身の経験もふんだんに織り交ぜられ、絶版になった前出名著に匹敵する仕上がりになっていると思います。

来たる登山シーズンに向けて、本書を読んでいただき、楽しい山行の一助としていただきたいと思います。 (気象予報士・江花純

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