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2006年3月6日更新
【2005/2006年の冬(12〜2月)の特徴】

12月から1月上旬にかけて非常に強い寒気が日本付近に南下し、強い冬型の気圧配置が断続的に現れたため日本海側では記録的な量の降雪となった。この大雪により、雪下ろし中の事故等甚大な人的被害があり、交通機関等への大きな影響があった。積雪を観測している339地点のうち23地点で積雪の最大記録を更新したほか、12月としての最大記録を106地点で、1月としての最大記録を54地点で、また2月としての最大記録を18地点で更新した。また、12月の平均気温は1985年以来20年ぶりに全国すべての地域で低温となり、東・西日本では1946年以降の最低記録を更新した。

1月中旬以降は気温の変動が大きくなり、一時的な大雪と雪崩・融雪が繰り返される状況が続いた。また、次第に気温が平年を上回る日も多くなり、南西諸島では1月、2月ともに高温となり、東・西日本でも2月は高温となった。このほか、低気圧や前線の影響を受ける日も多く、東・西日本太平洋側の地方を中心に曇りや雨または雪の日が多くなり、東日本太平洋側でも大雪となる日があった。


平均気温

全国的に1月上旬にかけては極端な低温傾向だったが、1月中旬以降は寒暖の変動が大きく平年を大幅に上回る時期もあった。冬の平均気温は、北日本から西日本にかけては低く、平年を1℃以上下回るところがあった。南西諸島では平年並だった。


降水量

冬の降水量は、北日本の太平洋側と南西諸島では平年並だった。一方、北日本の日本海側、および東日本、西日本では多かった。北見枝幸(北海道)では冬の降水量の最小値を更新した。


日照時間

冬の日照時間は全国的に少なく、東日本の日本海側や南西諸島ではかなり少なかった。北日本の日本海側や南西諸島では平年の80%未満のところがあった。


積雪・降雪

冬の降雪の深さ合計は、日本海側の平野部では平年並のところが多かったが、山沿いでは平年を上回った。網走、寿都、室蘭、函館(以上、北海道)、酒田(山形県)、高知で冬の降雪の深さ合計の最大値を更新した。一方、冬の最深積雪の値は全国的に大きかった。



記録を更新した地点
降水量の少ない記録

降水量 平年値
北見枝幸 159.0mm 263.3mm
降雪の深さの合計 多い記録

合計 平年値
網走 354cm 253cm
寿都 523cm 415cm
室蘭 218cm 170cm
函館 367cm 309cm
酒田 350cm 321cm
高知 12cm 1cm




黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)



平均気温の平年差の経過(5日移動平均)



      主な地点における冬(2005年12〜2006年2月)の降雪の深さの合計と最深積雪

降雪の深さ合計 最深積雪
地点 降雪の深さ 平年値 最深積雪 起日 平年値
旭川 477 cm 496 cm 92 cm 2/19 92 cm
釧路 87 cm 121 cm 33 cm 1/11 36 cm
札幌 440 cm 474 cm 111 cm 2/5 100 cm
青森 543 cm 626 cm 148 cm 2/11 113 cm
秋田 417 cm 342 cm 74 cm 1/5 41 cm
山形 371 cm 403 cm 75 cm 12/31 50 cm
盛岡 261 cm 274 cm 76 cm 12/26 35 cm
仙台 67 cm 74 cm 17 cm 2/3 17 cm
福島 150 cm 195 cm 21 cm 12/19 25 cm

降雪の深さ合計 最深積雪
地点 降雪の深さ 平年値 最深積雪 起日 平年値
新潟 130 cm 228 cm 24 cm 1/7 38 cm
長野 228 cm 243 cm 49 cm 1/3 29 cm
富山 459 cm 384 cm 79 cm 1/8 69 cm
金沢 253 cm 319 cm 55 cm 1/8 51 cm
福井 278 cm 314 cm 95 cm 1/8 60 cm
岐阜 83 cm 49 cm 32 cm 12/23 15 cm
鳥取 218 cm 240 cm 46 cm 12/22 48 cm
松江 109 cm 102 cm 21 cm 12/13 23 cm
2005年10月1日から、一部の気象官署において「降雪の深さ」の観測方法が変更されました。
これに伴い、平年値も新しい観測方法に合わせたものに変更されました。



【大気の流れの特徴】 500hPa天気図
北半球高緯度ではロシア北部とカナダ北部が正偏差で、その南側の北米東岸、ヨーロッパ、極東地方が負偏差となり、北半球全体的に極の寒気が南下しやすかったことを示している。また、極東地方の負偏差は日本の東海上からベーリング海付近で最も大きく、カムチャツカ半島付近で地上の低気圧が発達し、日本付近に寒気を南下させやすかったことを示している。一方、チベット付近から南西諸島には正偏差がのびており、冬後半に平年に比べ偏西風帯が北上し、南西諸島を中心に気温が高くなりやすかったことを示している。




2005年12〜2006年2月の500hPa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域

資料提供:気象庁

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