2012年1月3日更新
【2011年のさくらの開花・満開日】
 桜の開花前線は、3月20日に静岡をスタートしてからおよそ2カ月、
ついに5月19日に稚内でゴールしました。
 今年の桜は、平年並みの開花となった所が多くなりました。
 これは、2月に気温が平年より高く推移したものの、
3月以降になると寒気の影響を受けたためで、
記録的な早咲きの所もあった前年よりは遅い傾向でした。
→昨年の開花・満開日は 「さくら2010」


さくらの開花・満開日の観測はソメイヨシノを観測対象とし、各気象台が定めた標本木で行っている。 ソメイヨシノが分布していない北海道地方では一部を除きエゾヤマザクラを対象としている。 「開花」とは花が数輪以上開いた状態のことで、「満開」とは約80%の花が開花した状態のことである。


北海道
官署開花日平年差満開日平年差
札幌5/7+25/12+4
稚内*5/19+35/25+6
旭川*5/9+25/12+3
網走*5/16+35/18+3
釧路*5/1805/21-1
帯広*5/3-45/90
室蘭5/6-25/13+1
函館5/2-15/6-1
東北
官署開花日平年差満開日平年差
青森4/25-14/28-3
秋田4/23+44/27+3
盛岡4/20-34/29+2
仙台4/1204/15-3
山形4/18+14/25+4
福島4/12+14/150
関東・甲信
官署開花日平年差満開日平年差
水戸4/6+24/12+2
宇都宮4/6+34/12+2
前橋4/3+24/11+3
熊谷4/1+14/80
東京3/2804/6+1
銚子4/4+34/12+3
横浜3/30+24/8+3
長野4/15+14/21+2
甲府3/2904/8+4
北陸・東海
官署開花日平年差満開日平年差
静岡3/20-84/4-1
名古屋3/27-14/6+1
岐阜3/28-14/4-1
4/104/5-2
新潟4/14+34/18+2
富山4/804/11-1
金沢4/7+14/12+1
福井4/7+24/13+3
近畿
官署開花日平年差満開日平年差
彦根4/1-34/11+1
京都3/28-34/70
舞鶴4/5+14/10+1
大阪3/31+14/7+1
神戸3/31+14/10+4
奈良3/31-14/8+2
和歌山3/27-14/7+3
中国・四国
官署開花日平年差満開日平年差
岡山3/3104/70
広島4/1+34/10+5
松江4/6+34/12+3
鳥取4/204/80
高松3/31+14/8+2
徳島3/31+24/8+2
松山3/25-34/6+1
高知3/22-13/31-1
下関3/30+14/70
九州・沖縄
官署開花日平年差満開日平年差
福岡3/22-44/2-1
大分3/23-44/50
長崎3/23-24/7+4
佐賀3/22-44/5+2
熊本3/21-34/7+5
宮崎3/23-24/4+1
鹿児島3/23-34/5+2
名瀬+1/30+122/7+8
那覇+1/7-122/2-2
南大東島+1/24+52/4+3
宮古島+1/17-11/28-12
石垣島+1/17+22/10+6
2011年のサクラの開花・満開日
・官署名に付した「*」はエゾヤマザクラ、「+」はヒカンザクラ、印のないものはソメイヨシノを観測対象としている。
・平年差に付した「-」は平年より早い、「+」は平年より遅いことを示す。
さくらの開花・満開日の平年差階級区分
さくらの開花を平年値(1971年~2000年の30年間の累年平均値)と比べる場合、「平年並」は平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早く、「かなり早い」は7日以上早いことを示す。
階級平年との比較
かなり早い7日以上早い
早い平年値より3日以上早い
平年並み平年値との差が2日以内
遅い平年値より3日以上遅い
かなり遅い7日以上遅い

さくらは夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成し、秋に休眠(成長が止まる)に入る。休眠に入った花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚め(休眠打破)、気温の上昇と共に成長を始め開花する。
休眠打破が不十分な場合は、開花が遅れたり不揃いになったりすることがある。

→ 気温の経過についての詳細は天候のまとめを参照


【2011年のさくら解説】 ~ 東日本大震災でお花見自粛ムード広がる ~

片山由紀子(ウェザーマップ・気象予報士)  資料提供:気象庁

◆開花

2011年のさくら前線(沖縄・奄美を除く)は3月20日、静岡からスタートした。静岡が全国トップ(沖縄・奄美を除く)となるのは2008年以来、3年ぶり、3回目(2002年、2008年、2011年)のこと。


2011年の冬は、寒気が西回りで南下し、西日本と沖縄・奄美で寒い冬となった。12月末から1月にかけて、冬型の気圧配置が持続し、日本海側を中心に大雪となった。2月末には一時的に気温が高くなったが、3月は再び、寒気の南下が強まり、全国的に気温の低い状態が続いた。そのため、記録的な早咲きとなった2010年と比べると、松江で15日、高知と広島で12日、東京では6日遅くなるなど、関東から九州にかけては昨年より一週間から2週間程度、お花見シーズンが遅れた。


3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故による計画停電の影響で、各地のさくらの名所では、さくら祭りの開催や夜桜を取りやめる所が相次いだ。また、弘前では被災地支援として、例年通り4月23日からさくら祭りを開催したが、観光客の出足は鈍く、期間中の人出は昨年と比べて60万人少ない201万人となった。


◆満開

4月2日、全国のトップを切って福岡で満開となった。開花が全国で一番早かった静岡は4月3日に満開。低温の影響で、開花の進みが遅く、開花から満開まで15日もかかった。また、東京では4月6日と、2005年以来6年ぶりに満開のさくらの下での入学式となった。

全国的に見ても、3月から4月にかけての低温が響き、平年より3日から8日程度遅い満開であった。


◆さくらの開花はますます早く

今年は10年ぶりに平年値が更新された。新しい平年値の統計期間は1981年から2010年までである。さくらの開花日は、旧平年値(1971年~2000年)と比べると、多くの地点で2日から3日早くなった。そのため、東京の開花平年日は、鹿児島と同じ3月26日となった。

一方、鹿児島、名瀬、石垣島、南大東島ではこれまでと同じか、1日遅くなるなど、冬の気温が高くなったことで、さくらの休眠打破が遅くなっていることがうかがえる。冬の気温の上昇は、始めはさくらの早咲きにつながるが、それ以上の高温は逆にさくらの開花を遅らせてしまう。このまま温暖化が進行すると、九州や四国でもさくらの早咲きにブレーキがかかる可能性がある。


◆さくら前線の終着地 稚内VS釧路

今年のさくら前線は3月20日、静岡をスタートし、約2か月かけて日本列島を北上したあと、5月19日に稚内に到着した。稚内が終着地になるのは2年連続である。

ただし、開花日の平年値をみると、稚内が5月14日に対して釧路は5月17日と日本最北端の稚内よりオホーツク海側の釧路の方が遅くなっている。そこで、1980年以降、稚内と釧路の開花日を比べてみた。


1980198119821983198419851986198719881989199019911992199319941995
稚内
釧路
1996199719981999200020012002200320042005200620072008200920102011
稚内
釧路
◆のついている方が遅かった地点。▲は同時。

稚内と釧路の開花日を比べると、32年間で、稚内の方が遅かった年は7年、釧路の方が遅かった年は22年、同時に開花した年は3年である。つまり、平年値が示す通りに、釧路の方が開花が遅い結果となった。しかし、2000年代になり、さくら前線の終着地が稚内となる年が目立つようになった。

この理由について考察すると、

①オホーツク海の流氷終日(網走)が早まる

さくら前線の終着地が稚内となった年をみると、1994年と1980年を除いてオホーツク海の流氷終日が平年より早かった。特に、今年は観測史上最も早い3月12日に流氷終日となった。つまり、釧路では、オホーツク海の流氷期間が短くなると、気温が高くなりやすく、さくらの開花が早まるものと推測される。

②4月の気温、著しい上昇

さくらの開花に影響する4月の平均気温の平年値は、稚内で4.4℃、釧路で3.7℃である。しかし、旧平年値(1971年~2000年)と比べると、稚内は2.7℃の上昇に対して釧路は3.7℃も高くなっている。つまり、この10年間の影響で、稚内、釧路のいずれも気温が高くなっているが、特に釧路の方が著しい上昇を示している。

このまま温暖化が進行すると、近い将来、さくら前線の終着地が釧路から稚内に変わるかもしれない。

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