2006年9月20日更新
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【2006年の梅雨入り〜梅雨明けと梅雨の特徴】
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[梅雨入り]
九州南部と東北南部では平年より早い梅雨入りとなった。その他の地域では平年と同じか平年より遅い梅雨入りとなった。
[梅雨明け]
南西諸島は平年より早い梅雨明けとなった。その他の地域では平年より遅い梅雨明けとなり、平年より1週間から10日程度遅い梅雨明けとなった。特に、九州南部では平年よりも2週間近く遅かった。
[梅雨前線]
梅雨前線は、6月前半は南西諸島から日本の南海上に位置することが多く、活動が活発だったが、下旬には西日本に停滞することが多くなった。7月に入ると、梅雨前線は本州上に停滞することが多く、特に中旬後半から下旬前半にかけては活動が非常に活発となった。
[梅雨の時期の降水量] 梅雨時期の降水量は、東北北部を除いて平年よりも多かった。5月下旬から6月中旬にかけては、活動が活発な梅雨前線の影響を受けた南西諸島で降水量が多くなり、奄美地方では梅雨時期の降水量がかなり多くなった。
また、7月は本州付近で前線の活動が活発となったために、西日本から東日本、東北南部で降水量が平年よりかなり多くなった地域があり、平成18年7月豪雨が発生し、記録的な大雨となったところがあった。
一方、東北北部では、6月から7月の降水量が平年の8割程度となった。
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* 梅雨は季節現象であり、梅雨入り・梅雨明けには平均的に5日程度の「移り変わり」の期間があります。気象庁では「○日ごろ」と表記しています。
* 梅雨期間の降水量は、入りの時期における遷移期間のおおむね中日から明けの時期における遷移期間のおおむね中日の前日までの降水量の合計値。
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2006年の梅雨入り・梅雨明け・降水量
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地方 |
梅雨入り |
平年差 |
梅雨明け |
平年差 |
降水量 (同期間の平年値) |
沖縄 |
5/14 |
6日遅 |
6/20 |
3日早 |
那覇 |
599.0mm (310.8mm) |
奄美 |
5/11 |
1日遅 |
6/22 |
6日早 |
名瀬 |
997.5mm (491.6mm) |
九州南部 |
5/26 |
3日早 |
7/25 |
12日遅 |
鹿児島 |
951.0mm (733.9mm) |
九州北部 |
6/8 |
3日遅 |
7/26 |
8日遅 |
福岡 |
725.5mm (463.4mm) |
四国 |
6/8 |
4日遅 |
7/26 |
9日遅 |
高松 |
424.5mm (253.4mm) |
中国 |
6/8 |
2日遅 |
7/26 |
6日遅 |
広島 |
605.0mm (428.7mm) |
近畿 |
6/8 |
2日遅 |
7/27 |
8日遅 |
大阪 |
474.5mm (317.5mm) |
東海 |
6/8 |
同じ |
7/26 |
6日遅 |
名古屋 |
489.0mm (356.9mm) |
関東甲信 |
6/9 |
1日遅 |
7/30
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10日遅 |
東京 |
301.0mm (295.0mm) |
北陸 |
6/15 |
5日遅 |
7/30
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8日遅 |
新潟 |
527.5mm (264.1mm) |
東北南部 |
6/9 |
1日早 |
8/2 |
10日遅 |
仙台 |
451.0mm (280.3mm) |
東北北部 |
6/15 |
3日遅 |
8/2 |
6日遅 |
青森 |
132.5mm (153.0mm) |
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【梅雨期間の大雨】
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5月下旬〜6月中旬
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沖縄で土砂災害多発
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沖縄では5月14日、平年より6日遅く梅雨入りし、5月下旬からは梅雨前線の活動が活発となり、ほぼ連日雨となった。那覇では5月23日〜6月15日までの総雨量が584mm(平年比274%)に達し、特に6月10日は一日で101mmの大雨が降った。
このため、沖縄各地で土砂災害が発生、6月10日16時ごろには中城村で大規模な地すべりが起き付近の住民が避難した。
また、12日は那覇でも地盤陥没によりマンションが傾く被害があった。
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7/18〜19
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長野で大雨
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梅雨前線は7月半ばを過ぎても活発な状態が続き、梅雨明けが見えない状況となった。7月18日夕方からは長野県で激しい雨が降り出し、19日4時30分頃に岡谷市で土石流が相次いで発生した。
7月15日〜19日15時までの総雨量は長野県中部で400mm〜600mmに達し、土石流が発生した岡谷市周辺では18日の日雨量が観測史上最高となった。
【総雨量】(7月15日〜19日15時)
長野県塩尻市木曽平沢 446mm 辰野町辰野421mm 王滝村御嶽山616mm
◆7月18日の雨量 いずれも観測史上最高
塩尻市木曽平沢175mm 辰野町辰野147mm 伊那市伊那173mm
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7/15〜24
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「平成18年7月豪雨」
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長野県岡谷市で土石流被害をもたらした大雨は7月22日、九州に移った。
梅雨前線は九州を横切るように停滞、南から非常に湿った空気が流れ込んだことに加えて、上空には寒気も入り、発達した積乱雲が次々と鹿児島県や宮崎県に猛烈な雨を降らせた。
総雨量は宮崎県と鹿児島県で1000mmを超える記録的な豪雨となった。そのため、鹿児島県や宮崎県、熊本県では河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、10万人以上に避難指示・勧告がだされた。鹿児島県さつま町では付近を流れる川が氾濫し、広範囲が冠水したため孤立した住民を自衛隊のボートやヘリコプターで救助した。
気象庁は7月15日〜24日までの大雨を「平成18年7月豪雨」と命名した。
【総雨量】(7月18日〜24日)
宮崎県えびの市えびの 1281mm 鹿児島県さつま町紫尾山1264mm
◆7月22日の最大日雨量 ★は観測史上2位記録を更新した地点
宮崎県えびの市えびの 519mm 宮崎県えびの市加久藤405mm★
鹿児島県大口 399mm★
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【関東の梅雨】
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梅雨入りは西日本で平年より2日〜4日遅れたが、関東甲信地方では6月9日と平年並みの梅雨入りとなった。
5月から続いていた日照不足は解消せず、例年なら梅雨明けする7月21日には第5回目の日照不足に関する情報が出された。
結局、関東甲信地方の梅雨明けは平年より10日遅い7月30日で、過去5番目に遅い梅雨明けとなった。
梅雨期間が長かったものの雨量はあまり多くなく、東京では301mm(平年比102%)だった。
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