【2006年のトピックス】 |
■平成18年豪雪
大雪で幕を開けた2006年。来る日も来る日も絶え間なく降る雪は住民を疲弊させ、自治体の除雪費はあっという間に底をついた。長野県や新潟県では除雪のため、自衛隊の派遣を要請、長野県内の大雪による自衛隊派遣は1981年1月以来25年ぶり。また、新潟県では1986年以来20年ぶりに豪雪による災害救助法適用となるなど、近年大雪に見舞われることがなかっただけに市民生活への影響は深刻となった。
全国で最深積雪の年間記録を更新した地点(タイ記録を含む)は27地点に上った。
北海道 | 恵庭島松 115cm*、余市 196cm |
秋田県 | 能代 92cm*、鷹巣 129cm、五城目 137cm |
岩手県 | 岩手松尾 62cm、雫石 113cm、遠野 49cm*、北上 58cm |
山形県 | 狩川 162cm、向町 205cm |
群馬県 | 藤原 301cm、みなかみ 275cm |
長野県 | 信濃町 159cm |
岐阜県 | 神岡 166cm、白川 297cm、長滝 219cm、樽見 171cm |
新潟県 | 湯沢 358cm、津南 416cm |
富山県 | 氷見 99cm |
福井県 | 武生 92cm |
岡山県 | 千屋 97cm |
広島県 | 高野 166cm、八幡 182cm、大朝 89cm* |
島根県 | 赤名 134cm |
*:タイ記録 |
豪雪による死者は152人、負傷者は2145人で、65歳以上の高齢者が犠牲になった例が多くあった。また、住宅の全壊18棟、半壊が28棟など1980年−81年の56豪雪以来の被害となった。(消防庁まとめ)
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■春から夏にかけての日照不足
春から夏にかけては全国的に日照不足が顕著となった。例年、春は低気圧が周期的に日本列島を通過するが、2006年は低気圧に加えて寒冷渦が頻繁に日本列島を通過したため、4月下旬から不安定な天気が目立って多くなった。5月は五月晴れに見放され、走り梅雨のような天気となった。東京では5月、6月、7月すべての日照時間は平年を下回り、年間日照時間は1587.8時間と1998年(1535.4時間)に次ぐ観測史上2番目に少ない記録となった。
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■平成18年7月豪雨
今年の梅雨入りは西日本で平年より2日〜4日遅れたが、梅雨は予想外に長引いた。例年なら梅雨明けする7月21日には第5回目の日照不足に関する情報が発表されるなど、梅雨前線は7月半ばを過ぎても活発な状態が続き、梅雨明けが見えない状況となった。
7月18日夕方からは長野県で激しい雨が降り出し、19日4時30分頃に岡谷市で土石流が相次いで発生した。
総雨量は長野県中部で400ミリ〜600ミリに達し、土石流が発生した岡谷市周辺では18日の日雨量が観測史上最高となった。
総雨量(7月15日〜24日) |
長野県塩尻市木曽平沢 | 533ミリ |
長野県辰野町辰野 | 494ミリ |
長野県王滝村御嶽山 | 817ミリ |
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7月18日の雨量 |
長野県塩尻市木曽平沢 | 175ミリ |
長野県辰野町辰野 | 147ミリ |
長野県伊那市伊那 | 173ミリ |
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長野県岡谷市で土石流被害をもたらした大雨は7月22日、九州に移った。
梅雨前線は九州を横切るように停滞、南から非常に湿った空気が流れ込んだことに加えて、上空には寒気が入り、発達した積乱雲が次々と鹿児島県や宮崎県に猛烈な雨を降らせた。総雨量は宮崎県と鹿児島県で1000ミリを超える記録的な豪雨となった。鹿児島県や宮崎県、熊本県では河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、10万人以上に避難指示・勧告がだされた。
総雨量(7月15日〜24日) |
宮崎県えびの市えびの | 1281ミリ |
鹿児島県さつま町紫尾山 | 1264ミリ |
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7月22日の雨量 |
宮崎県えびの市えびの | 519ミリ |
宮崎県えびの市加久藤 | 405ミリ* |
鹿児島県阿久根市 | 509ミリ* |
*:7月の極値更新 |
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■過去最大級の竜巻被害
全国的に高温となった今年の秋は、竜巻の被害が相次いだ。
9月17日、台風13号が長崎県佐世保市に上陸。九州を中心に大荒れの天気となり、宮崎県延岡市では暴風に伴って竜巻が発生した。竜巻の強さはF2と判断され、特急にちりん9号の横転やスーパーの陳列棚が倒壊して男性が下敷きになるなど延岡市内では竜巻の大きな爪跡が残った。
台風による竜巻はそれほど珍しいものでないが、11月7日には竜巻空白域といわれていた北海道オホーツク海側で大規模な竜巻が発生したのだ。
2006年11月7日13時20分〜30分ごろ、北海道佐呂間町若佐地区で竜巻が発生した。トンネル工事用プレハブ事務所が突風で倒壊し、2階で会議をしていた作業員9人が死亡するなど竜巻被害としては過去例がない大惨事となった。
被害地域は幅200m長さ1kmの細長い帯状で、被害を受けた建物は103棟、うち47棟は全壊した。また、竜巻が巻き上げたと思われるプレハブ事務所の床板や石こうボードの破片が現場から約15km離れたサロマ湖畔で見つかるなど、竜巻の強さは藤田スケールでF3と推測された。これは1990年12月に千葉県茂原市で発生した竜巻に匹敵する大規模な竜巻である。
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■台風の発生数が少ない
2006年の台風1号は5月9日に発生、その後も発生数が少なく、発生数は2005年に続いて23個(平年26.7個)となった。これには秋から発生したエルニーニョ現象が関係している可能性があり、2006年は台風の上陸が10号、13号だけに留まるなど、台風シーズンがやや短かった感じがする。
一方でフィリピンの東から西進する台風が多く、台風が6個上陸したフィリピンでは甚大な被害が発生した。
□ 2006年の台風の発生数・日本本土への接近数・上陸数 |
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1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
計 |
発生 |
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1 |
1 |
3 |
7 |
3 |
4 |
2 |
2 |
23
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接近 |
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3 |
4 |
2 |
1 |
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10
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上陸 |
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1 |
1 |
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2
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□ 2006年の上陸台風
台風10号は8月13日、台風7号と同じく父島周辺(北緯25度40分東経138度25分)で発生。本州付近で高気圧が強かったことから、北上のスピードはかなりゆっくりで、18日宮崎に上陸してからも熊本市付近で半日近く停滞していた。上陸してから日本海に抜けるまで約28時間かかった。
台風が上陸しても速度が上がらなかったため、九州南部では局地的な大雨となり、宮崎県見立で569ミリ、えびので515ミリに達した。
台風13号は9月15日、非常に強い勢力で東シナ海を北上した。
先島諸島では暴風により電柱93本が倒れ、一時1万8900世帯が停電する被害があった。16日には佐賀県伊万里市で鉄砲水が発生し、通りかかった車ごと川に押し流した。
そして、17日18時過ぎ、強い勢力のまま長崎県佐世保市に上陸した台風13号は短時間で日本海に向けたが、台風の東側には非常に発達した雲があったため、九州・四国・紀伊半島では局地的に大雨となった。この時、宮崎県延岡市では竜巻が発生し、特急が横転するなど大きな被害があった。
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参考資料:気象庁発表「2006年(平成18年)の台風について」 |