2008年3月3日更新
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【2007年のさくらの開花・満開日】
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ソメイヨシノは3月20日に東京で開花し、3月27日に大阪で開花。その後、5月16日の根室(チシマザクラ)、釧路(エゾヤマザクラ)まで約2カ月間にわたり観測された。九州では平年より開花が遅れた地点が散見されるが、その他の地方では全般的に平年比2日〜11日ほど早かった。一方、八丈島では平年より11日遅い開花となった。
→昨年の開花・満開日は 「さくら2006」 へ
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さくらの開花・満開日の観測はソメイヨシノを観測対象とし、各気象台が定めた標本木で行っている。
ソメイヨシノが分布していない北海道地方では一部を除きエゾヤマザクラ、チシマザクラを対象としている。
「開花」とは花が数輪以上開いた状態のことで、「満開」とは約80%の花が開花した状態のことである。
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北海道
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
稚内* |
5/15
|
-1 |
5/17 |
-2 |
旭川* |
5/6
|
-1 |
5/8 |
-1 |
留萌* |
5/11
|
0 |
5/14 |
0 |
札幌 |
5/4
|
-1 |
5/8 |
0 |
岩見沢* |
--
|
-- |
-- |
-- |
倶知安 |
--
|
-- |
-- |
-- |
紋別* |
5/15
|
+3 |
5/21 |
+6 |
網走* |
5/12
|
-1 |
5/16 |
+1 |
根室@ |
5/16
|
-4 |
5/23 |
-2 |
釧路* |
5/16
|
-2 |
5/20 |
-2 |
帯広* |
5/6
|
-1 |
5/8 |
-1 |
室蘭 |
5/7
|
-1 |
5/12 |
0 |
浦河* |
5/8
|
-3 |
5/10 |
-4 |
函館 |
4/30
|
-3 |
5/4 |
-3 |
江差 |
5/1
|
-2 |
5/6 |
-1 |
東北
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
青森 |
4/25
|
-1 |
4/29 |
-2 |
八戸 |
4/26
|
+2 |
4/29 |
+1 |
秋田 |
4/18
|
-1 |
4/23 |
-1 |
盛岡 |
4/20
|
-3 |
4/29 |
+2 |
宮古 |
4/21
|
+1 |
4/27 |
+2 |
仙台 |
4/6
|
-6 |
4/12 |
-6 |
酒田 |
4/12
|
-4 |
4/19 |
-1 |
山形 |
4/13
|
-4 |
4/19 |
-2 |
福島 |
4/2
|
-9 |
4/9 |
-6 |
小名浜 |
3/29
|
-10 |
4/5 |
-9 |
北陸
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
相川 |
4/9
|
-4 |
4/15 |
-4 |
新潟 |
4/6
|
-5 |
4/13 |
-3 |
高田 |
4/2
|
-8 |
4/12 |
-2 |
富山 |
3/30
|
-9 |
4/8 |
-4 |
輪島 |
4/8
|
-3 |
4/15 |
0 |
金沢 |
3/29
|
-8 |
4/9 |
-2 |
福井 |
3/29
|
-7 |
4/9 |
-1 |
敦賀 |
--
|
-- |
-- |
-- |
|
関東・甲信
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
水戸 |
3/24
|
-11 |
4/2 |
-8 |
宇都宮 |
3/26
|
-8 |
4/4 |
-6 |
前橋 |
3/28
|
-4 |
4/7 |
-1 |
熊谷 |
3/23
|
-8 |
4/1 |
-7 |
東京 |
3/20
|
-8 |
3/29 |
-7 |
銚子 |
3/30
|
-2 |
4/5 |
-4 |
館山 |
--
|
-- |
-- |
-- |
横浜 |
3/23
|
-5 |
3/30 |
-6 |
大島 |
3/26
|
-4 |
3/31 |
-6 |
三宅島 |
--
|
-- |
-- |
-- |
八丈島 |
4/13
|
+11 |
-- |
-- |
長野 |
4/7
|
-7 |
4/14 |
-5 |
松本 |
4/1
|
-11 |
4/9 |
-8 |
飯田 |
--
|
-- |
-- |
-- |
甲府 |
3/21
|
-8 |
3/30 |
-5 |
東海
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
静岡 |
3/24
|
-4 |
3/30 |
-6 |
浜松 |
--
|
-- |
-- |
-- |
名古屋 |
3/23
|
-5 |
4/2 |
-3 |
高山 |
--
|
-- |
-- |
-- |
岐阜 |
3/23
|
-6 |
4/2 |
-3 |
津 |
3/26
|
-6 |
4/1 |
-6 |
尾鷲 |
3/23
|
-5 |
3/30 |
-5 |
近畿
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
彦根 |
3/30
|
-5 |
4/11 |
+1 |
舞鶴 |
3/31
|
-4 |
4/9 |
0 |
京都 |
3/25
|
-6 |
4/3 |
-4 |
大阪 |
3/27
|
-3 |
4/3 |
-3 |
豊岡 |
3/26
|
-10 |
4/3 |
-6 |
神戸 |
3/30
|
0 |
4/8 |
+2 |
洲本 |
--
|
-- |
-- |
-- |
奈良 |
3/27
|
-5 |
4/4 |
-2 |
和歌山 |
3/26
|
-2 |
4/1 |
-3 |
潮岬 |
3/28
|
0 |
4/6 |
0 |
|
中国
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
岡山 |
3/26
|
-5 |
4/4 |
-3 |
広島 |
3/22
|
-7 |
4/2 |
-3 |
西郷 |
3/28
|
-8 |
4/10 |
-1 |
松江 |
3/26
|
-8 |
4/3 |
-6 |
浜田 |
3/25
|
-5 |
4/1 |
-5 |
米子 |
3/25
|
-9 |
4/3 |
-5 |
鳥取 |
3/25
|
-8 |
4/8 |
0 |
下関 |
3/23
|
-6 |
4/2 |
-5 |
四国
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
徳島 |
3/27
|
-2 |
4/3 |
-3 |
高松 |
3/28
|
-2 |
4/4 |
-2 |
松山 |
3/23
|
-5 |
4/1 |
-4 |
宇和島 |
--
|
-- |
-- |
-- |
高知 |
3/23
|
0 |
4/1 |
0 |
九州
|
官署 |
開花日 |
平年差 |
満開日 |
平年差 |
福岡 |
3/21
|
-5 |
3/31 |
-3 |
大分 |
3/22
|
-5 |
4/4 |
-1 |
厳原 |
3/26
|
-2 |
4/2 |
-2 |
長崎 |
3/24
|
-1 |
4/1 |
-2 |
福江 |
3/28
|
0 |
4/9 |
+5 |
佐賀 |
3/24
|
-2 |
3/31 |
-3 |
熊本 |
3/23
|
-1 |
4/2 |
0 |
宮崎 |
3/26
|
+1 |
4/3 |
0 |
鹿児島 |
3/30
|
+4 |
4/4 |
+1 |
種子島 |
4/1
|
+5 |
4/25 |
+21 |
2007年のサクラの開花・満開日 |
・官署名に付した「*」はエゾヤマザクラ、「@」はチシマザクラを観測対象としている。印のないものは全てソメイヨシノを観測。
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・開花(満開)日欄の「--」は、観測値がないことを示す。
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・平年差の数値に付した「−」は平年より早い、「+」は平年より遅いことを示す。平年差欄の「--」は平年値がないことを示す。
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さくらの開花・満開日の平年差階級区分
さくらの開花を平年値(1971年〜2000年の30年間の累年平均値)と比べる場合、「平年並」は平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早く、「かなり早い」は7日以上早いことを示す。 |
階級 |
平年との比較 |
かなり早い |
7日以上早い |
早い |
平年値より3日以上早い |
平年並み |
平年値との差が2日以内 |
遅い |
平年値より3日以上遅い |
かなり遅い |
7日以上遅い |
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さくらは夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成し、秋に休眠(成長が止まる)に入る。休眠に入った花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚め(休眠打破)、気温の上昇と共に成長を始め開花する。
休眠打破が不十分な場合は、開花が遅れたり不揃いになったりすることがある。
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【2007年のさくら解説】 |
◆開花 記録的な暖冬となった2007年。サクラは全国のトップを切って3月20日、東京で開花した。東京の標本木がある千代田区九段の靖国神社には数日前から、マスコミ関係者やサクラの開花を待ちわびる多くの人が訪れ、例年通りサクラの開花に一喜一憂する姿が見られた。
東京の開花は1990年、1989年に並ぶ観測史上3番目に早いもので、今年の冬から春への記録的な暖かさを象徴する結果となった。
また、サクラ前線が東京からスタートしたのは1993年以来14年ぶりのこと。その後、24日には水戸で観測史上2番目に早く、26日は宇都宮で観測史上3番目に早く開花するなど、九州から関東にかけてのサクラの開花は平年より一週間から10日早くなった。
大型連休前半の29日には金沢、福井、福島県の小名浜で開花し、いよいよサクラ前線は北陸・東北へ向かった。一方で3月30日、平年より4日遅く開花したのは鹿児島である。九州南部は記録的な暖冬を受けて、花芽の目覚め(休眠打破)が遅くなったことが影響したようだ。
4月に入って、日本列島はたびたび強い寒気の影響を受けるようになった。4日には東京都心で4月としては19年ぶりにみぞれ、18日には九州の阿蘇山で積雪28cmを記録するなど、気温の低い日が多くなった。そのため、サクラ前線の北上スピードは次第に遅くなり、東北北部と北海道ではほぼ平年並みの開花となった。そして、今年のサクラ前線は5月16日、釧路と根室で終わりを迎えた。その日は沖縄で梅雨入りが発表され、日本列島が南北に長いことを改めて思い知る一日となった。
◆満開 開花が早かったため、満開も平年より5日程度早くなった。しかし、4月の不順な天候を受けて、満開までにはやや日数を要した所が多く、北日本ではほぼ平年並みの満開日となった。ちなみに、満開の全国トップは開花と同様に東京だった。東京が満開全国一番乗りになるのは2004年以来3年ぶりのこと。
◆サクラ前線が東京からスタートした年
東京が全国一番乗りなるのは1953年の観測開始以来、今年を含めて3回ある。それぞれの1月から3月までの平均気温を調べてみたら、いずれも平年を大幅に上回った。
東京 一番乗りの年 |
1月の平均気温 |
2月の平均気温 |
3月の平均気温 |
2007 |
7.6℃ 平年差+1.8℃ |
8.6℃ 平年差+2.5℃ |
10.8℃ 平年差+1.9℃ |
1993 |
6.2℃ 平年差+0.4℃ |
7.7℃ 平年差+1.6℃ |
8.7℃ 平年差−0.2℃ |
1979 |
6.6℃ 平年差+0.8℃ |
8.4℃ 平年差+2.3℃ |
9.9℃ 平年差+1.0℃ |
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ソメイヨシノの開花予想は戦前から気象庁で行われていた。それだけに、サクラの調査研究は数多く行われていて、サクラの開花時期に最も影響を与えるのは「気温」であり、降水量や日照時間、湿度は開花を大きく左右する気象要素ではないらしい(安藤,気象1983)。
ちなみに、東京が満開全国トップとなったのは1953年以降、1993年、2001年、2002年、2004年、2007年の7回である。2000年代に多く集中しているのは偶然なのか、それとも近年の暖冬傾向または都市化の影響が大きいのか議論が分かれる。
◆サクラに雪 4月4日は強い寒気の影響で、東京都心では15時45分頃から雷雨となり、16時半から17時にかけてはみぞれに変わった。東京都心で4月に雪が降ったのは1988年以来19年ぶりのことで、サクラが満開となった後の雪は7年ぶりだった。
【4月4日9時 地上天気図】
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【4月4日9時 雲画像】
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◆過去の記録 |
サクラが開花となった後の雪: | 1988年4月8日 | 1987年3月31日 |
サクラが満開となった後の雪: | 2001年3月31日 | 1976年4月3日 |
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