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【2007/2008年の冬(12〜2月)の特徴】 |
気象庁報道発表資料 |
12月から1月上旬までは、冬型の気圧配置となる日は少なく、2日程度の短い周期で低気圧や気圧の谷が北日本を通過したほか、数日の周期で低気圧が本州付近を通過した。このため、北・東日本日本海側では曇りや雨または雪の日が多く、北・東日本太平洋側と西日本でも天気は数日の周期で変わり、平年と比べて晴れの日が少なかった。全国的に気温の変動が大きく、寒気の南下が弱かった東・西日本では気温の高い日が多く、沖縄・奄美では晴れて気温のかなり高い日が多かった。
1月中旬から2月前半にかけては、優勢なシベリア高気圧が北日本方面に張り出し、北日本を中心に弱い冬型の気圧配置となる日が多かった。一方、本州南海上は高気圧の南縁で前線帯となりやすく、低気圧が短い周期で本州南岸を通過した。日本海側では曇りや雪または雨の日が多かったものの、降水量は少なく、降雪量も少なかった。また、東・西日本太平洋側や沖縄・奄美では、平年と比べて曇りや雨または雪の日が多かった。2月後半以降は、冬型の気圧配置が続き、強い寒気の南下とともに冬型の気圧配置が強まる時期があった。このため、日本海側では曇りや雪又は雨の日が多く、太平洋側では晴れの日が多かった。1月中旬以降の気温は、北・東・西日本では平年並か平年を下回る日が続いた。また、沖縄・奄美では気温の変動が大きく、2月中旬にはかなり低くなった。
降雪量は、日本海側で全般に少なく、北・東日本日本海側ではかなり少なかった。なお、山沿いでは平年程度の降雪があった。
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平均気温 |
冬の平均気温は、沖縄・奄美で高かったほかは、全国的に平年並だった。
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降水量 |
冬の降水量は、北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側と東日本日本海側では少なかった。北見枝幸(北海道)では冬の降水量の最小値を更新した<./b>。一方、西日本では多く、東日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。
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日照時間 |
冬の日照時間は、北海道太平洋側を除いた北日本、東日本日本海側、西日本太平洋側、および沖縄・奄美では少なかった。一方、北海道太平洋側では多く、帯広(北海道)では冬の日照時間の最大値を更新した。東日本太平洋側と西日本日本海側では平年並だった。
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積雪・降雪 |
冬の降雪の深さ合計は、北日本、東日本日本海側でかなり少なく、西日本日本海側では少なかった。ただし、山沿いでは平年程度の降雪があった。一方、東日本から西日本にかけての太平洋側では平年並だった。冬の最深積雪は、太平洋側の一部で多かったほかは、ほとんどの地点で平年並か少なかった。
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記録を更新した地点 |
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3か月間降水量の少ない記録
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降水量 |
平年値 |
北見枝幸 |
141.5mm |
263.3mm |
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3か月間日照時間の多い記録
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日照時間 |
平年値 |
帯広 |
626.6h |
523.7h |
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黄色:平年より高い(多い) 青:平年より低い(少ない)
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平均気温の平年差の経過(5日移動平均) |
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主な地点における冬(2007年12〜2008年2月)の降雪の深さの合計と最深積雪
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降雪の深さ合計 |
最深積雪 |
地点 |
降雪の深さ |
平年値 |
最深積雪 |
起日 |
平年値 |
旭川 |
441 cm |
496 cm |
82 cm |
2/15 |
92 cm |
釧路 |
18 cm |
121 cm |
12 cm |
1/24 |
36 cm |
札幌 |
392 cm |
474 cm |
106 cm |
2/28 |
100 cm |
青森 |
386 cm |
626 cm |
82 cm |
2/18 |
113 cm |
秋田 |
292 cm |
342 cm |
25 cm |
1/27 |
41 cm |
山形 |
272 cm |
403 cm |
40 cm |
2/14 |
50 cm |
盛岡 |
146 cm |
274 cm |
38 cm |
1/24 |
35 cm |
仙台 |
16 cm |
74 cm |
8 cm |
2/10 |
17 cm |
福島 |
82 cm |
195 cm |
10 cm |
1/25 |
25 cm |
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降雪の深さ合計 |
最深積雪 |
地点 |
降雪の深さ |
平年値 |
最深積雪 |
起日 |
平年値 |
新潟 |
76 cm |
228 cm |
10 cm |
1/27 |
38 cm |
長野 |
178 cm |
243 cm |
26 cm |
1/1 |
29 cm |
富山 |
174 cm |
384 cm |
36 cm |
2/17 |
69 cm |
金沢 |
127 cm |
319 cm |
22 cm |
2/18 |
51 cm |
福井 |
151 cm |
314 cm |
35 cm |
2/17 |
60 cm |
岐阜 |
14 cm |
49 cm |
7 cm |
2/9 |
15 cm |
鳥取 |
107 cm |
240 cm |
41 cm |
2/17 |
48 cm |
松江 |
56 cm |
102 cm |
20 cm |
2/17 |
23 cm |
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最新積雪の起日には、2日以上同じ記録が出た場合には早い方の起日を記しています。
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【大気の流れの特徴】 500hPa天気図
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北極海からオホーツク海やカナダ西部、グリーンランドに負偏差域が伸び、寒気はこの方面を中心に南下した。ユーラシア大陸では、ヨーロッパから中央シベリア、バイカル湖付近にかけて正偏差域が、中東から中国西部にかけて負偏差域が広がり、平年より強かったヨーロッパやシベリアの地上高気圧に対応している。太平洋から北米にかけては、ラニーニャ現象時の特徴と一致して、太平洋中部、東部に正偏差域、カナダ西部に負偏差域が広がり、アリューシャン低気圧が平年よりやや弱かったことに対応している。日本付近では、中国東部から東シナ海にかけてが正偏差、日本の東海上が負偏差となった。また、本州南岸は東シナ海の正偏差と中国東北区の正偏差の間に位置し、前線帯になることが多かった。
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2008年12〜2008年2月の500hPa高度と偏差
等値線間隔は高度(実線):60m 偏差(破線):30m
赤:正偏差域 青:負偏差域
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