2022
2023年1月13日更新
【2022年のさくらの開花・満開日】
2022年の開花は、平年より早めのところが多くなりました。北海道はかなり早くなりました。
2022年の冬は、11月から12月前半まではなかなか寒気が流れ込みませんでしたが、12月後半と1月は寒くなりました。このため、休眠打破はほぼ平年並みだったと考えられます。
花芽の成長に必要な気温は、2月までは低めでしたが、3月は平年より高くなったため、開花は平年より早めとなりました。北海道は2月から5月にかけての気温がかなり高かったため、開花も平年よりかなり早くなりました。
※今シーズンから平年値が新しいものに更新され、昨年までのものよりも2日程度早くなっている所が多くなっています。
→ 前年の開花・満開日は 「さくら2021」


さくらの開花・満開日の観測はソメイヨシノを観測対象とし、各気象台が定めた標本木で行っている。 ソメイヨシノが分布していない北海道地方では一部を除きエゾヤマザクラを対象としている。 「開花」とは花が数輪以上開いた状態のことで、「満開」とは約80%の花が開花した状態のことである。


北海道
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
札幌4/23-84/25-11
稚内*5/6-75/9-7
旭川*4/26-84/28-9
網走*4/27-134/30-13
釧路*5/8-85/10-9
帯広*4/22-104/25-10
室蘭4/25-94/30-9
函館4/21-74/25-7
東北
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
青森4/16-64/20-6
秋田4/12-54/16-6
盛岡4/14-44/18-6
仙台4/804/11-2
山形4/11-24/13-5
福島4/4-34/8-3
関東・甲信
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
水戸3/3004/60
宇都宮3/27-34/2-4
前橋3/27-24/1-4
熊谷3/24-33/30-4
東京3/20-43/27-4
銚子3/27-34/60
横浜3/21-43/28-4
長野4/9-24/11-5
甲府3/21-43/28-5
北陸・東海
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
静岡3/21-33/30-3
名古屋3/22-23/30-3
岐阜3/21-43/28-5
3/26-33/30-4
新潟4/804/11-2
富山4/1-24/6-2
金沢3/30-44/5-3
福井3/31-14/6-1
近畿
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
彦根3/31-14/6-2
京都3/24-23/30-5
大阪3/23-43/30-5
神戸3/25-24/1-4
奈良3/25-33/31-4
和歌山3/2403/29-5
中国・四国
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
岡山3/26-23/30-5
広島3/21-43/29-5
松江3/26-33/31-5
鳥取3/27-24/1-4
高松3/24-33/30-5
徳島3/25-33/30-5
松山3/21-33/28-6
高知3/19-33/27-3
下関3/25-14/1-3
九州・沖縄
官署 開花日 平年差 満開日 平年差
福岡3/17-53/27-4
大分3/23-14/1-3
長崎3/22-13/29-4
佐賀3/19-53/28-5
熊本3/20-23/28-4
宮崎3/18-53/28-5
鹿児島3/20-64/1-4
名瀬+1/18-21/31-2
那覇+1/11-52/1-3
南大東島+1/28+82/10+5
宮古島+1/19+22/8-1
石垣島+1/27+92/22+12
2022年のサクラの開花・満開日
・官署名に付した「*」はエゾヤマザクラ、「+」はヒカンザクラ、印のないものはソメイヨシノを観測対象としている。
・平年差に付した「-」は平年より早い、「+」は平年より遅いことを示す。
さくらの開花・満開日の平年差階級区分
さくらの開花を平年値(1991年〜2020年の30年間の累年平均値)と比べる場合、「平年並」は平年値との差が2日以内、「早い」とは平年値より3日以上早く、「かなり早い」は7日以上早いことを示す。
階級 平年との比較
かなり早い 7日以上早い
早い 平年値より3日以上早い
平年並み 平年値との差が2日以内
遅い 平年値より3日以上遅い
かなり遅い 7日以上遅い

さくらは夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成し、秋に休眠(成長が止まる)に入る。休眠に入った花芽は、冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚め(休眠打破)、気温の上昇と共に成長を始め開花する。
休眠打破が不十分な場合は、開花が遅れたり不揃いになったりすることがある。

【さくら2022】コロナ禍で迎えた3度目の春 さくら前線の北上早く、一斉に咲きそろう片山由紀子 (ウェザーマップ・気象予報士)

地域平均気温の平年差日照時間の平年比
北日本1.4℃(かなり高い)114%(かなり多い)
東日本1.1℃(高い)104%(平年並み)
西日本1.0℃(かなり高い)106%(平年並み)
※2022年春(3月~5月)の平均気温と日照時間を平年と比べたもの。

春の気温は全国的に平年を大幅に上回り、北日本は1946年以降、2番目の高温、西日本も4番目の高温となった。暖かい空気の影響で、網走、札幌、名古屋では観測史上最高となり、記録的な暖春となった。

春の日照時間は高気圧に覆われた北日本で記録的に多くなった。青森では平年の約1.3倍にあたる633.6時間に達し、観測史上2番目の多さだった。

開花

3月17日、全国(沖縄・奄美を除く)のトップを切って、福岡でさくらが開花した。福岡のトップ開花は2016年以来、6年ぶりのこと。さくらの開花は昨年と比べると遅くなったが、それでも西日本では平年と比べ3日から5日程度早く、東海や関東は3日程度早くなった。一時的にみぞれが降るなど気温の低い日もあったが、一斉に咲きそろった感じがした。

さくら前線の北上は北日本でさらにスピードアップし、みちのくではゴールデンウイークを待たずにさくらの季節を迎えた。札幌でも4月23日、記録的な早さでさくらが開花し、お花見シーズン到来となった。さくら前線は昨年と同様に5月8日、釧路で終わり、約2か月をかけて日本列島を北上した。コロナ禍のなかで迎えた3度目の春は各地でイベントも行われたが、これまでのような混雑は見られず、少人数で花見をするスタイルが定着したようだ。

満開

3月27日、全国のトップを切って、福岡、東京、高知で満開となった。この日は西日本ではよく晴れたが、関東は雲が多く、日差しの少ない一日だった。

さくらが開花した後も、気温の高い状態が続き、各地で満開も早くなった。西・東日本は平年と比べて3日~6日程度、北海道は10日前後早くなった。北海道では開花から満開までの日数が非常に短くなり、札幌や旭川はわずか2日で見頃を迎えた。

今シーズン全国最後の開花となったのは5月10日の釧路で、平年より9日早かった。さくら前線の終着地が釧路となるのは2019年以降、4年連続である。

さくら前線 寒い冬は西日本からスタートする

毎年、全国(沖縄・奄美を除く)で最も早くさくらが開花する地点に注目があつまります。今年は2016年以来、6年ぶりに福岡となりました。さくらは冬でも暖かい九州や四国で早く開花すると思われる方も多いでしょう。これまでは高知や鹿児島などが一番となる傾向がありましたが、最近は東京や名古屋の方が早く開花するようになりました。

九州や四国が早く開花する年と東海や関東が早く開花する年は何が違うのでしょう。その答えは西日本の冬の気温にあります。冬の気温が低いと休眠打破がしっかりと行われ、さくらの花芽の成長が順調に進みます。一方、暖冬の年は休眠打破が不十分となるため、花芽の成長が遅れる傾向にあります。

2022年は西日本で寒冬となったため、さくらの花芽が順調に成長し、早い開花となりました。一方、2020年は西日本で記録的な暖冬となった影響で、さくら前線は東京からスタートしました。

直近10年間の全国トップ開花

開花日観測地点
2022年3月17日福岡
2021年3月11日広島
2020年3月14日東京
2019年3月20日長崎
2018年3月15日高知
2017年3月21日東京
2016年3月19日福岡、名古屋
2015年3月21日鹿児島、熊本、名古屋
2014年3月18日高知
2013年3月13日福岡、宮崎
2012年3月21日高知

さくら吹雪はいつ?

さくらは満開のときが一番美しいとは限りません。風に舞う花びらも風流です。満開を過ぎたさくらが徐々に散って、葉桜になるまでどのくらいかかるのでしょう。

東京のさくらが満開になったあと、葉桜になるまでどのくらいの日数がかかるのか、天気ノートを使って調べてみました。気象庁が行うさくらの観測は開花日と満開日のみで、東京のさくらがいつ終わるのか、調査は行なわれていません。

これは初の試みです。気象庁が発表した満開日(靖国神社)を基準日として、天気ノートに書かれている都内のさくらの様子(主に赤坂周辺)から、散り始め、桜吹雪、葉桜となる頃を推測しました。

結果は満開日から(平均して)<散り始める頃>4日後、<桜吹雪となる頃>8日後、<葉桜となる頃>13日後となりました。なお、日数に満開日は含まず。満開日の翌日から数えて「○○日後」です。

東京(靖国神社)の満開から葉桜まで

満開散り始め桜吹雪葉桜
2022年3月27日3月30日4月3日4月10日
2021年3月22日3月28日3月31日4月7日
2020年3月22日3月27日4月2日
2019年3月27日4月3日4月9日4月12日
2018年3月24日3月29日3月31日
2017年4月2日4月14日
2016年3月31日4月6日4月8日4月15日
2015年3月29日3月31日4月2日
2014年3月30日4月2日4月5日4月9日
2013年3月22日3月26日3月30日4月9日
2013年4月6日4月10日4月15日
2011年4月6日4月9日4月12日4月18日
2010年4月1日4月5日4月8日