【さくら2024】記録的な暖冬の影響も、東京は12年ぶりに遅い開花片山由紀子 (ウェザーマップ・気象予報士)
地域 | 気温 | 降水量 | 日照時間 |
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北日本 | 1.5℃(かなり高い) | 94%(少ない) | 109%(多い) |
東日本 | 1.1℃(高い) | 140%(かなり多い) | 98%(平年並み) |
西日本 | 1.0℃(かなり高い) | 140%(かなり多い) | 96%(少ない) |
沖縄・奄美 | 1.2℃(かなり高い) | 155%(かなり多い) | 100%(平年並み) |
2024年春(3月~5月)は全国的に気温が平年を大幅に上回り、沖縄・奄美は1946年以降で2番目に、北日本は3番目に高くなるなど記録的な暖春となりました。
また、降水量も沖縄から東日本でかなり多くなりました。東日本は統計史上2番目、西日本は3番目の記録となり、走り梅雨が顕著であったと言えそうです。
開花
3月23日、全国のトップを切って高知でさくらが開花しました。平年より1日遅く、昨年よりも6日遅い開花です。そして、全国トップ開花が高知となったのは2018年以来6年ぶりのことです。
記録的な暖冬の影響が強く、西・東日本では昨年と比べて一週間から十日程度遅くなりました。平年と比べても5日前後遅く、さくらシーズンの始まりは久しぶりに遅くなった印象です。
一方で、北日本ではさくらの開花が早まりました。仙台では平年より6日早い4月2日に開花、福島よりも早くなったのは2017年以来7年ぶりで、地元では話題になったそうです。その後も、さくら前線の北上スピードは速く、津軽海峡を瞬く間に越えて、あっという間に北海道に到達しました。札幌では平年より13日早い4月18日に開花したのです。東京と札幌の差はわずか20日間という異例の早さでした。
満開
開花が遅れた影響で、満開も平年並みか、やや遅くなりました。西・東日本では4月10日前後が見ごろとなり、入学式にさくらが満開となった所も多くなりました。
一方で、北日本では平年よりもかなり早い満開となり、さくら祭りの開催を前倒しするなどの対応に追われました。例年、ゴールデンウイークに国内の観光客を当て込んでいますが、今年は海外からの旅行客でかなりの混雑となったようです。コロナの収束や超円安のため、海外からの旅行客は過去最高を記録し、今年はお花見の様子が様変わりしました。
東京のさくら開花 2012年以来の遅さに
この春はさくらの開花を今か今かと待つ人が多くなりました。さくら祭りを始めても、肝心のさくらがなかなか開花しなかったからです。東京では3月29日に開花しましたが、平年と比べて5日遅くなったものの、記録的な遅さではありませんでした。
でも、多くの人が遅く感じた理由のひとつに、最近の超早咲きがあります。2020年、2021年、2023年はいずれも過去最も早い3月14日に開花しました。
この春も当初は3月17日に開花すると見られていましたが、3月になって気温の低い日が多くなったこと、記録的な暖冬の影響で休眠打破が弱かったため、つぼみの生長が予想以上に遅くなったことで、開花予想日が先送りされたこともあり、待たされた感じが強まったようです。結果的に、東京のさくらは2012年以来の遅い開花となりました。
(2024年3月29日、ウェザーマップ撮影※写真利用申請済み)
満開にならないさくら
気象庁は2021年に生物季節観測指針を改定し、満開の定義も2021年(令和3年)に「同時に約80%以上咲いている状態である必要はない」と変更されました。つまり、全体の約80%以上が咲いた状態のなかに、散ってしまった花も含めるという意味です。
最近は記録的な暖冬の影響で、さくらが咲きそろわない年が目立つようになりました。2016年には大分と徳島で、散ってしまった花も含めて満開としたことがあります。
さらに、沖縄では満開とならない年が増えているのです。今年は石垣島と南大東島で、満開発表はありませんでした。気象台は欠測としていますが、実際はどうだったのでしょう。南大東島地方気象台によると、2月16日に標本木のヒカンザクラが開花したが、全体の3割で、つぼみが生長しませんでした。開花の最晩記録は2016年3月1日、今年は最晩記録から一か月たっても、満開とならなかったので、4月1日に、現象なしと判断したそうです。
また、石垣島では満開にならなかった年は2年連続です。そのほかは2020年、1975年にもあります。
鹿児島は満開まで2週間も
この春は東京と鹿児島は3月29日、同じ日に開花しました。しかし、その後の経過は大きく違ったのです。東京は4月4日に満開となった一方で、鹿児島は12日に満開となりました。開花から満開までの日数を比べると、東京は6日でしたが、鹿児島は満開まで2週間もかかりました。
なぜ、同時に開花した2地点で、これほどの違いが出てしまったのでしょうか。その間の平均気温を調べてみると、鹿児島は東京と比べ2.4度高い、18.3度でした。開花した後に、強い寒の戻りがあったわけではないようです。
鹿児島地方気象台によると、散った花を含めて満開としたとのこと。標本木はすでに葉が出ていて、咲いている花もまばらな状態です。また、鹿児島市内では満開を過ぎて、散ったさくらも多く、いまさら満開とは、と実感が伴わないそうです。
1位 | 18日(2020年) |
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2位 | 15日(2019年) |
3位 | 15日(2008年) |
4位 | 14日(2024年) |
5位 | 14日(2010年) |